“墨痕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼっこん60.6%
ぼくこん24.2%
すみあと12.1%
タアシュ・ダンクル3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かすかなる墨痕ぼっこんのうちに、光明の一きょを点じ得て、点じ得たる道火どうかを解脱の方便門よりにないだして暗黒世界を遍照へんじょうせんがためである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さう云へば遺書の文字さへ、鄭板橋ていはんけう風の奔放な字で、その淋漓りんりたる墨痕ぼくこんの中にも、彼の風貌が看取かんしゆされない事もない。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
有名な曹植そうしょくの「七歩詩」である。山僧のわざでもあろうか、書体にも写経風があった。が、壁の墨痕すみあともいつか春秋の雨や風にうすれてゆく。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
モオリス・バレスは一八八四年、「墨痕タアシュ・ダンクル」といふ文芸雑誌を出したが、その創刊号に次の如き宣言を書いた。