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墨痕
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ぼくこん
ふりがな文庫
“
墨痕
(
ぼくこん
)” の例文
さう云へば遺書の文字さへ、
鄭板橋
(
ていはんけう
)
風の奔放な字で、その
淋漓
(
りんり
)
たる
墨痕
(
ぼくこん
)
の中にも、彼の風貌が
看取
(
かんしゆ
)
されない事もない。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幸い持合せの
些
(
ちと
)
泥臭
(
どろくさ
)
いが見かけは立派な
円筒形
(
えんとうけい
)
の大きな
舶来
(
はくらい
)
唐墨
(
とうぼく
)
があったので、
快
(
こころよ
)
く用立てた。今夜見れば
墨痕
(
ぼくこん
)
美わしく「
彰忠
(
しょうちゅう
)
」の二字に
化
(
な
)
って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
鉄門は
既
(
すで
)
に固く
鎖
(
とざ
)
されたり、
只
(
た
)
だ
赤煉瓦
(
あかれんぐわ
)
の
塀
(
へい
)
に、高く掲げられたる
大巾
(
おほはば
)
の白布に、
墨痕
(
ぼくこん
)
鮮明なる「社会主義大演説会」の数文字のみ、燈台の如く仰がれぬ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
されば本文にもいへるごとくかりそめにいひすてたる
薬欄
(
やくらん
)
の一句の
墨痕
(
ぼくこん
)
も百四十余年の
后
(
のち
)
にいたりて文政の頃白銀の光りをはなつぞかし、
論外不思議
(
ろんぐわいふしぎ
)
といふべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ぴったり締まって
乾破
(
ひわ
)
れのした玄関の雨戸に、もう黄色くなりかけた一枚の白紙が、さも二人をあざけるように貼り付いて、
墨痕
(
ぼくこん
)
鮮やかに——「かしや」と読める。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
宮殿内の
血痕
(
けっこん
)
、
洞窟
(
どうくつ
)
の
墨痕
(
ぼくこん
)
、
娼家
(
しょうか
)
の
蝋
(
ろう
)
の一滴、与えられた苦難、喜んで迎えられた誘惑、吐き出された遊楽、りっぱな人々が身をかがめつつ作った
襞
(
ひだ
)
、下等な性質のために起こる心のうちの
汚涜
(
おどく
)
の跡
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
されば本文にもいへるごとくかりそめにいひすてたる
薬欄
(
やくらん
)
の一句の
墨痕
(
ぼくこん
)
も百四十余年の
后
(
のち
)
にいたりて文政の頃白銀の光りをはなつぞかし、
論外不思議
(
ろんぐわいふしぎ
)
といふべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
虚々実々
(
きょきょじつじつ
)
、いずれをいずれと
白真弓
(
しらまゆみ
)
、と、
墨痕
(
ぼくこん
)
あざやかに読める。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
墨
常用漢字
中学
部首:⼟
14画
痕
常用漢字
中学
部首:⽧
11画
“墨痕”で始まる語句
墨痕淋漓
墨痕琳璃