“洞窟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どうくつ75.5%
ほらあな12.7%
ほら2.9%
いわや2.0%
とうくつ2.0%
あな1.0%
いはや1.0%
うつろ1.0%
ひらあな1.0%
ポール1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大友君が洞窟どうくつのとりことなった夜のあくる日、少年たちは、学校からかえると、すぐに、島田少年のおうちにあつまってきました。
透明怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
胆吹の弥三郎よりも、もっと昔、この洞窟ほらあなの中に山賊がんでいたのです、大江山を追われた酒呑童子しゅてんどうじの一族が、ここを巣にしていたのです。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
黒く大きく立っている離座敷はなれ、——壁と襖とは灰白はいじろかったが、その襖の開いている左門の部屋は、洞窟ほらの口のように黒く、そこに釣ってある紙帳は、これまた灰白く、寝棺のように見え
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
洞窟いわやの中は寒かった。氷のような冷たいものがひしひしと肌にせまって来る。洞窟の中は薄暗かった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「とう/\雪子ゆきこけた」とせきはづして、宗助そうすけはういたが、「うですまた洞窟とうくつへでもみますかな」とつてがつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「どうだ、ステツィコ、てつきりあれは、洞窟あな魔法使コルドゥーンのところへ忍んで行くやうだなあ?」
あゝ、鍵は海へ沈みたるなり、鳴りひゞく洞窟いはやにいたり、とざせし扉の上に、ひとたびは黄金きんの鍵を見出でぬ、かくて開き得もせず
嘆きの孔雀 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
洞窟ひらあなのような寒さと薄暗い灯揺ほゆらぎの中に、一体の観世音が天井へつかえるばかり高々と端坐していた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翁はそれを常識通り洞窟ポールだと思っていたようであるが、これも蘭法華高台のアフンルパㇽと同じく平地に掘った竪穴だったらしい。