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雪子
看護の
人も
勞れぬ、
雪子の
身も
弱りぬ、きのふも
植村に
遇ひしと
言ひ、
今日も
植村に
遇ひたりと
言ふ、
川一つ
隔てゝ
姿を
見るばかり
「とう/\
雪子に
負けた」と
席を
外して、
宗助の
方を
向いたが、「
何うです
又洞窟へでも
引き
込みますかな」と
云つて
立ち
上がつた。
物置の前では十五になる
梅子が、今
鶏箱から
雛を出して追い込みに入れている。
雪子もお
児もいかにもおもしろそうに笑いながら雛を見ている。