“雪子(ゆきこ)” の例文
看護(かんご)の人(ひと)も勞(つか)れぬ、雪子(ゆきこ)の身(み)も弱(よわ)りぬ、きのふも植村(うゑむら)に遇(あ)ひしと言(い)ひ、今日(けふ)も植村(うゑむら)に遇(あ)ひたりと言(い)ふ、川(かは)一(ひと)つ隔(へだ)てゝ姿(すがた)を見(み)るばかり
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「とう/\雪子(ゆきこ)に負(ま)けた」と席(せき)を外(はづ)して、宗助(そうすけ)の方(はう)を向(む)いたが、「何(ど)うです又(また)洞窟(とうくつ)へでも引(ひ)き込(こ)みますかな」と云(い)つて立(た)ち上(あ)がつた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
物置の前では十五になる梅子(うめこ)が、今鶏箱(とりばこ)から雛(ひな)を出して追い込みに入れている。雪子(ゆきこ)もお児(こ)もいかにもおもしろそうに笑いながら雛を見ている。
奈々子 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
夕刻から友達を訪問するといって出かけた次女の雪子(ゆきこ)さんが、十時を過ぎ十一時を過ぎ、深夜となっても帰らなかった。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
兄(あに)を太郎(たろう)といい、妹(いもうと)を雪子(ゆきこ)といいました。二人(ふたり)は、毎月(まいげつ)、町(まち)へくる新(あたら)しい雑誌(ざっし)を買(か)ってきて、いっしょに読(よ)むのをなによりの楽(たの)しみとしていました。
小鳥と兄妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と小室夫人(こむろふじん)雪子(ゆきこ)さんが待っていて訊いた。家ではない。会社の近くの堀端だった。主人の就職運動に奥さんがついて歩く。貞女(ていじょ)は結構だけれど、少し世話を焼き過ぎる。
秀才養子鑑 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
五歳になる雪子(ゆきこ)が姉につれられて病院へ見舞いに来た。
病室の花 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
良(やゝ)しばしありて雪子(ゆきこ)は息(いき)の下(した)に極(きは)めて恥(はづ)かしげの低(ひく)き聲(こゑ)して、もう後生(ごしやう)お願(ねが)ひで御座(ござ)りまする、其事(そのこと)は言(い)ふて下(くだ)さりますな
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そら今度(こんだ)こさ雪子(ゆきこ)の勝(かち)だ」と云(い)つて愉快(ゆくわい)さうに綺麗(きれい)な齒(は)を露(あら)はした。子供(こども)の膝(ひざ)の傍(そば)には白(しろ)だの赤(あか)だの藍(あゐ)だのゝ硝子玉(がらすだま)が澤山(たくさん)あつた。主人(しゆじん)は
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そのかわりには、五年間に残していったふたりの子ども、昌一君とその妹の雪子(ゆきこ)ちゃんが、びっくりするほど大きくなって、元気に育っていました。
青銅の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「まあ、きれいだこと、兄(にい)さん、この鳥(とり)は、よく見(み)る鳥(とり)じゃありませんか。」と、雪子(ゆきこ)はいいました。
小鳥と兄妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つとめある身(み)なれば正雄(まさを)は日毎(ひごと)に訪(と)ふ事(こと)もならで、三日(みつか)おき、二日(ふつか)おきの夜(よ)な/\車(くるま)を柳(やなぎ)のもとに乘(の)りすてぬ、雪子(ゆきこ)は喜(よろこ)んで迎(むか)へる時(とき)あり、泣(な)いて辭(じ)す時(とき)あり
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「えゝ、今日(けふ)は西洋(せいやう)の叔母(をば)さんごつこよ。東作(とうさく)さんは御父(おとう)さまだからパパで、雪子(ゆきこ)さんは御母(おかあ)さまだからママつて云(い)ふのよ。可(よ)くつて」と説明(せつめい)した。其時(そのとき)又(また)別(べつ)の聲(こゑ)で
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)