“御座”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ござ51.1%
ぎょざ10.7%
みくら9.6%
ござい3.9%
おざ3.4%
おまし2.8%
みざ2.8%
ごぜ2.2%
ごあ1.7%
おは1.1%
おわ1.1%
ぎよざ1.1%
ござり1.1%
ごわ1.1%
おす0.6%
おんざ0.6%
おんまし0.6%
くらゐ0.6%
ごぎ0.6%
ござん0.6%
ごア0.6%
ましま0.6%
みくらひ0.6%
みくらゐ0.6%
ミクラ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、「いき」のうちには「慮外りょがいながら揚巻あげまき御座ござんす」という、曲線では表わせない峻厳しゅんげんなところがある。冷たい無関心がある。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
と、たちどころに、御座ぎょざをめぐる人々の間から、ここを不安とする説が出た。余りに、山奥すぎて、糧道のなんすらあるというのである。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天皇となりすまして、偽装の御座みくらに耐えていた花山院ノ師賢も、いまは御簾内みすうちにも居たたまれず、ほかの廷臣らと共にうろうろして
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『だつて今日始めてでも御座ございませんもの——勝野さんが何処どこかで聞いていらしツて、いつぞや其を私に話しましたんですもの。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
少し亂暴なのには閉口する事も多かつたが、萬事てきぱきと切つて廻し、御世辭や御座おざなりが無く、傍若無人な醉體も、三田の面白がるところだつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
二つの御座おましが上に設けられてあって、主人の院の御座が下がって作られてあったのを、宣旨せんじがあってお直させになった。
源氏物語:33 藤のうら葉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
おん身は、生半可なまはんかな知識があるので、かえって仏の御座みざの一歩まえにこだわって、ずっと、安心の座にお着座ができぬ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『ハア、俺ア老人としよりだで可えが、黒馬あをの奴ア怠屈てえくつしねえで喜ぶでヤ。だら、明日あしたア早く來て御座ごぜえ。』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
いゝえ。』と笑を含んだ。『何日とも被仰おつしやらな御座ごあんした。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
妙「お師匠ひひょうはん何んひゃか深川辺ふかかわへんの者やとひゅうて、十八九ひゅうはッふになる娘で御座おはえまふが、誠に因縁ひんねんが悪いはら、尼に成りたいと申ひて来まひたが、如何いかゞいたひまひょう」
会津四十二万石の大禄をかずけられたまいし御感ぎょかんの御涙にばし御座おわすか、と聞いて見た。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
およびもつかんこと御座ござります、勿體もつたいないことで御座ござります。』と權藏ごんざう平伏へいふくしました
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
一体、巡査先生の方がびく/\して居るんで御座ごわすア、だもんだで、彼奴きやつア、好い気につて、始めからでは、もう十五六軒もツン燃やしましたぜ
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
何卒どうぞ此処へでも御座おすわんなさいな。」
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
縁側に近い座敷の襖子からかみをはずして、貴女たちの席は几帳きちょうを隔てにしてあった。中央の室には院の御座おんざが作られてある。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
中納言綱條卿と御對座たいざにて御座おんましまし越前が登城今や/\と待給まちたまふ時しも太田主計頭が案内にて越前守おそる/\御前へいではるか末座に平伏す時に主計頭座を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
〔いよ/\美しく〕ベアトリーチェは天より天と、神の御座くらゐに近づくに從つていよ/\その美を増すなり
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
で、吃驚びつくり致しまして、この猫は屹度きっと化けると思ったんです。それから、捨てようと思いましたけれども、幾ら捨てても帰って来るんで御座ごぎいますって。
「ああしんど」 (新字新仮名) / 池田蕉園(著)
わたしの家も気味の悪う御座ござんすけに、どこかに移転うつろうて云いおりますばってんが、この頃、一軒隣に、新しい理髪屋かみつみやが出来まして、賑やかしうなりましたけに、どうしようかいと考えります
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「決して忘れない、この御厚恩は! けれど私ア、駄目でごす。体格からださへかうでなければ、今までこんなにして村にまご/\して居るんぢや御座ごアせんが……。私は駄目でごす……」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
『女官御双紙』に「此大君は三十三君の最上なり、昔は女性の極位にて御座ましましゝに大清康熙六丁未年王妃に次ぐ御位に改め玉ふなり」
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
帝の稜威みいつは至らぬ處なし、されど政かしこよりいでその都も高き御座みくらひもまたかしこにあり、あゝ選ばれてそこに入るものはさいはひなるかな 一二七—一二九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
第九天はエムピレオの天に蔽はるれどエムピレオは神の御座みくらゐにて他の諸天の如く物質より成るにあらねばかく言へり
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
御子白壁王不意ニ高御座ミクラノボラセ給ヒテ、此皇子モ田原天皇ト追尊セラレ給ヒ、皇統今ニ相ツヾケルモ此歌ニモトヰセルニヤ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)