御座おまし)” の例文
二つの御座おましが上に設けられてあって、主人の院の御座が下がって作られてあったのを、宣旨せんじがあってお直させになった。
源氏物語:33 藤のうら葉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
帝はよくその下へ御座おましをうつした。そこのほう四尺にも足りない日光の下にあぐらして瞑想めいそうされるのであった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御座おましの下に集ひけり。
御座おましの後ろの四つの屏風びょうぶ式部卿しきぶきょうの宮がお受け持ちになったもので、非常にりっぱなものだった。絵は例の四季の風景であるが、泉や滝のき方に新しい味があった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
天皇は関東勢に囚われ、北条氏は御座おましへ迫ってどんな勅令でも発しえよう。きのうの宮方も、逆に賊軍とよばれ、正成が心に待つ諸国の呼応こおうなども、そうなっては心もとない。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御座おましだん
伯耆の船上山の御座おましには、名和長年なるものが守備に当っていること。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さすが、大内の御座おましも今の孤座も、そのおかたちには変りがない。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)