“描”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
58.6%
えが26.5%
ゑが11.9%
うつ0.7%
かい0.7%
えがき0.2%
かか0.2%
かき0.2%
0.2%
がき0.2%
(他:3)0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それ位の變つた事なら、別にあの地獄變の屏風をかなくとも、仕事にかゝつてゐる時とさへ申しますと、何時でもやり兼ねない男なのでございます。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
中にも駿河町するがちょうという所にいてある越後屋えちごや暖簾のれんと富士山とが、彼の記憶を今代表する焼点しょうてんとなった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その第三頁目には王冠をいただいた白髪小僧の姿と美事な女王の衣裳を着けた美留女姫が莞爾にっこと笑いながら並んでいる姿がいてあった。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
ハワイでは、あなたと一度も、話し出来ませんでしたが、ぼくは、美しい異国の風景のなかに、あなたの姿を、まぼろしにえがくだけで、満足でした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
二十世紀の倫敦がわが心のうちから次第に消え去ると同時に眼前の塔影がまぼろしのごとき過去の歴史を吾が脳裏のうりえがき出して来る。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いく百となく、あめチョコのはこえがいてある天使てんしは、それぞれちがった空想くうそうにふけっていたのでありましょう。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし行人かうじんたる僕の目にはこの前も丁度ちやうど西洋人のゑがいた水浴の油画か何かのやうに見えた、今日けふもそれは同じである。
いや、クライストはその上に地震後の興奮が静まるが早いか、もう一度平生の恩怨おんゑんおもむろに目ざめて来る恐しささへゑがいた。
狹霧さぎりなかゑがかれたが、る/\、いろがあせて、うすくなつて、ぼんやりして、一體いつたいすみのやうになつて
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それかの今日に存在する浄瑠璃じょうるり院本まるほんなるものは実に封建思想の産物にして実にその真相をうつし出だしたる明鏡なり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
内容には色々な世相をうつしてゐるが、秀れたものは、矢張り恋愛と戦争を書いたものに多かつた。
此う云ふ境遇から此う云ふ先入の感想を得て、私はやがて中学校に進み、円満な家庭のさまや無邪気な子供の生活をうつした英語の読本、其れから当時の雑誌や何やらを読んで行くとラブだとか家庭ホームだとか云ふ文字もんじの多く見られる西洋の思想が、実に激しく私の心を突いたです。
一月一日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
娘は、へやうちに閉じこもって、一心に蝋燭の絵をかいていました。しかし年より夫婦はそれを見ても、いじらしいとも哀れとも思わなかったのであります。
赤い蝋燭と人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「三四郎」には大学生の事をかいたが、この小説にはそれから先の事を書いたからそれからである。
『それから』予告 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これは生で美味しくありませんが今のようにして煮ると色が紅くって味も良くなります。そのほか支那で出来る蟠桃はんとうといってかしらの方が凹凸でこぼこしていて大層大きな桃があります。西王母せいおうぼに頭の凹凸した桃のかいてあるは、その蟠桃のく上等なのです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
春章がしばらくの図はたちばなもん染抜きたる花道の揚幕あげまくうしろにしてだいなる素袍すおうの両袖さなが蝙蝠こうもりつばさひろげたるが如き『しばらく』を真正面よりえがきしものにて
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
画にかかばやと思う図なり。
銀座の朝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どうぞ是非ぜひいますぐかきれよ、かみふで姉樣ねえさまのをりてべし
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よくぞ男に生れたる、と云う陽気でもなく、虫を聞く時節でもなく、家は古いが、壁から生えたすすきも無し、絵でないから、一筆きの月のあしらいも見えぬ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四方の壁には昔から此処ここで飲んだ幾多の漫画家の奇怪千ばんな席がきが縦横に貼られ、傷だらけの薄ぎたな荒木あらきの卓の幾つと粗末な麦藁の台の椅子の二十ばかりとが土間に散らばつて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
これは確かにあの場所で。なかなかうまくえてありますねえ。だれが描えたんですかなあ? 海賊なんて奴あとても物識らずで描けめえとあっしは思いますがな。はあ、ここにありますよ、『キッド船長(註五三)碇泊所』とね、——あっしの船友達もそう言ってました。
僕かね、僕だってうんとあるのさ、けれども何分貧乏とひまがないから、篤行とっこうの君子を気取ってねこと首っきしているのだ。
僕の昔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
根津ねず大観音だいかんのんに近く、金田夫人の家や二弦琴にげんきんの師匠や車宿や、ないし落雲館らくうんかん中学などと、いずれも『吾輩わがはいねこである』の編中でなじみ越しの家々の間に
僕の昔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
メーテルリンクの「沈黙」は何だか怖ろしくて厭やですね、——そんなことを云ひながら、机の上の鏡台をのけて、私は彼女の眉をいた、注意深く。
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)