“嫌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きら38.3%
いや38.1%
きらい9.8%
きれ2.9%
ぎら2.9%
1.6%
きらひ1.6%
1.3%
いと0.9%
ぎらい0.5%
0.4%
えや0.4%
0.4%
あきたらな0.2%
きれえ0.2%
0.2%
けん0.2%
けんお0.2%
やァ0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そう、あなたのように高くばかり構えていらっしゃるから人にきらわれるんですよ。大学教授だねって、大学の先生になりゃ結構じゃありませんか」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それがいつたずねても同じことなので、三度に一度は私ということを知ってわざときらってそういわしているのかも知れないと疑ってみたりした。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「あなたは、仲々仮面を取りはずさないみたいよ。だから、私まで女史を意識しなきゃいけないみたいでいや。(早く生の彼を発見したいものだわ)」
華々しき瞬間 (新字新仮名) / 久坂葉子(著)
それでなくても私が気にわんから一所に居たくても為方なしに別居していやな下宿屋までしているんだって言いふらしておいでになるんですから
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
明治維新の行政庁は、名義を正すの目的をもって、かくのごとき官名の僭称せんしょうきらいあるあざなは一時禁ぜられたことがあります。
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ペルヂンスキイもまた春信の色彩を以て曇りたる色となし、時としてあるひは平坦に過ぐるのきらいあれども、鮮明にして清楚なる感覚を与ふる力あり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ぢいさんな、陰気ツ臭いのが何よりきれえだつて、いつも口癖のやうに云つてゐさしたつけよ。」と、今度は後の方で、誰か女の人が云つた。
野の哄笑 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
「ばッ、ばかなまねをしなさんな。だからおら侍はきれえだ。侍くらい理屈のわかりそうな顔をして、ものの分らねえハンチクはありゃしねえッ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういう負けずぎらいな母がおようさんのあとにくると、父は急にめた人のようになって、為事にも身を入れ出した。
花を持てる女 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
ベートーヴェンも最初は耳疾を隠していたが、ついには社交を断念して、故意に「人ぎらい」にならなければならなかった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
めづらしいこと此炎天このえんてんゆきりはせぬか、美登利みどり學校がくかうやがるはよく/\の不機嫌ふきげん
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
僕も今までこんな世話はした事はないが、もし当人同士がやでないなら中へ立ってまとめるのも
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あからさまに自分のはらなかを云ふと、そんなに家庭がきらひなら、きらひでよし、其代り細君をつちまふぞと判然はつきり知らせたかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
きらひな子だよ、お前は何時でもちやかしてお了ひだけれども、眞箇なんだよ。」とおふくろは躍起やくきとなツて、「そりやお前には私の苦勞が解らないんだから………」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
だ、やだ! お父さんは一人で行け。俺は里へ遊びに行く!」と言つて京内はドン/\と、山路やまみちふもとの方へけて行きました。
熊と猪 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
「うれしくなんかねえさ。兵隊のくせして、うだうだ、おらの膝ッこばか寝ている男なんか、おら、んだ気がするにな」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、ロメーンズは、豕の汚臭はもとその好むところにあらず、ただこの物乾熱よりも湿泥を好み、炎天に皮膚の焼かるるをいとうて泥に転がる。
声がした時にはもう、そこにはいないにきまっていた。時をいとわぬこの殿の行動に、近侍たちはあわをくって、うまやへ駈け、馬場へ追いかけ、それでも、
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
初め抽斎は西洋ぎらいで、攘夷に耳をかたぶけかねぬ人であったが、前にいったとおりに、安積艮斎あさかごんさいの書を読んで悟る所があった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その兄の派出好はでずきで勉強ぎらいであった昔も眼の前に見えるようであった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「うん。お前えも、お文に負けなえからなあ。百姓やになつたんだべよ。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
「百姓やになった。」——健は集ってきた友達に云った。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「寒くなつた。もう雪だべ。えやだな、これからの北海道つて! 穴さ入つた熊みたいによ。半年以上もひと足だつて出られないんだ——嫌になる。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
「工場さ入るんだ。——伯母小樽にいるしな。……んでもな、健ちゃ、俺あれだど、百姓えやになったとか、ひと出世したいとか、そんな積りでねえんだからな。——阿部さんどよく話したんだども、少しな考えるどこもあるんだ……」
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
笑はれても構はない、大きく取つて看板に出たら宜いな、お前は嫌やかへ、嫌やのやうな顏だものと恨めるもをかしく、變な顏にうつるとお前にらはれるからとて美登利ふき出して
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そういう不作法なことは、おれはれえだ。あくまで錠前を外して開くんだ」
長崎へ行って新しい文化に目が開くと、更に日本の現状があきたらなくなってくる。
青年の天下 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
わしやちくなんざあいふなきれえでがすから、どこぢやがあせんお内儀かみさん、よるつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
の通りの御意気込み、其れに旦那様だんなさまも、梅も余りらひして居る中に、年を取り過ぎる様なことがあつてはと云ふ御心配で御座いましてネ、此頃も奥様の御不在の節、私を御部屋へ御招おまねきになりまして、雪の紀念かたみの梅だから
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
この歌の下の巻に、姫がはづかしき姿を憐むあまり布とりいでゝ恵みしものある、これ亦口碑に拠るこの時すでに姫の心狂じて、たゞちにそを棄て去りしといふ、そのせきを逸するのけんあるものから、かくはことわりおくのみ。
都喜姫 (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
つながれていた鎖を、思い出の苦痛を、愛する面影やけんお悪すべき面影の幻を、のがれてしまったことは、いかにうれしいことだろう。
阿爺おとッつぁんおらこのしまやァだ」と、毎々阿娘おむすの苦情が出る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)