)” の例文
そのさまれに遠慮ゑんりよらず、やなときやといふがよし、れを他人たにんをとこおもはず母樣はヽさまどうやうあまたまへとやさしくなぐさめて日毎ひごとかよへば
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
僕も今までこんな世話はした事はないが、もし当人同士がやでないなら中へ立ってまとめるのも、決して悪い事はないからね——それでやって来たのさ
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さいはひに一ぱいみて歇息やすませ給へとて、酒をあたため、下物さかなつらねてすすむるに、赤穴九一袖をもておもておほひ、其のにほひをくるに似たり。左門いふ。
ともあれあの子も両親の手で育てられまするに、つまらぬ事を思ひよりまして、貴君にまでやな事を御聞かせまをしました
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
仏菩薩ぶつぼさつ九九名聞利要みやうもんりえうみ給ふとこそ聞きつる物を、など貧福の事に一〇〇かかづらひ給ふべき。
何故なぜでもいけませぬ、わたしわがまゝゆゑまをすまいとおもときうしてもやでござんすとて、ついとつてゑんがはへいづるに、くもなきそらつきかげすゞしく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もあれ兩親れうしんそだてられまするに、つまらぬことおもよりまして、貴君あなたにまでやなこと御聞おきかせまをしました
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
太皷たいこ、うたはせてはせてひとことしてたいとをりふし正太しようたさゝやいてかせれば、おどろいてあきれておいらはやだな。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まへさんそのさけへるほどならやとおひなさるを無理むり仕事しごとくだされとはたのみませぬ、わたし内職ないしよくとてあさからにかけて十五せんせきやま
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れほどわかれるがおやかとせられて默頭うなづく可愛かあいさ、三年目ねんめ今日けふいまさらにむしろいつものらきがしなり。
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
日歩ひぶとかやひて利金りきんやすからぬりなれど、これなくてはの金主樣きんしゆさまあだにはおもふべしや、三こうれがまちあそびにいとばれてやとははれぬ義理ぎりあり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのさまにもひきかせたきことおほくあれどくちよりいはヾまたみヽ兩手りようてなるべし、不思議ふしぎゑんのないひとゑんがあるか馬鹿ばからしきほどいてゆくがやな氣持きもち
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
母親はゝおやよりのひつけを、なにやとはられぬ温順おとなしさに、たゞはい/\と小包こづゝみをかゝへて、鼠小倉ねづみこくらのすがりし朴木齒ほうのきば下駄げたひた/\と、信如しんによ雨傘あまがささしかざしていでぬ。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
伯母おば高慢こうまんがほはつく/″\とやなれども、あの高慢こうまんにあの温順すなほなるにてことなくつかへんとする氣苦勞きぐろうおもひやれば、せめてはそばちかくにこゝろぞへをもし、なぐさめにもりてやりたし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それよろしくばおほせのとほりにりましよと、うでもやがらせをひてこまらせける。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あんな浮いた心では何時引取つてくれるだらう、考へるとつくづく奉公がやになつてお客を呼ぶに張合もない、ああくさくさするとて常は人をもだます口で人のらきを恨みの言葉
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
よしかへらずとて彼地あしこはお前樣まへさまのおやしきゆゑ、成長おほきうなりたまふまでのお留守居るすゐいまもおまうしたけれどそれこそさびしく、やにりて母樣かあさまこひしかるべし、なに柔順おとなしう成長おほきうなりたまへと
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
客樣きやくさませやうが空車からときだらうがやとなると用捨ようしやなくやになりまする、あきれはてるわがまゝをとこ愛想あいそきるではりませぬか、さ、おりなされ、おともをしますとすゝめられて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
んないたこゝろでは何時いつ引取ひきとつてれるだらう、かんがへるとつく/″\奉公ほうこうやになつておきやくぶに張合はりあいもない、あゝくさ/\するとてつねひとをもだまくちひとらきをうらみの言葉ことば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たヾ一寸ちよつと吾助ごすけ一筆ひとふでにてもとひたれば、此卷紙このまきがみなにかきぼくたまはれ、吾助ごすけ田舍ゐなかかへりてもところなれば、大方おほかた乞食こじきるべきにや、それれではぼくどうしてもやなり
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
このせまりたることばれまづかなしく、今日けふこそはかならず返事へんじり、其方そちよろこやうにすれば、田舍ゐなかくことはめになし、何時いつまでも此處こヽれよ、突然だしぬけ田舍ゐなかきてはやぞと
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ちしもの此文このふみにはなん文言もんごんどういふふうきてるにや表書おもてがきの常盤木ときわぎのきみまゐるとは無情つれなきひとへといふこと岩間いはま清水しみづ心細こゝろぼそげにはたまへどさても/\御手おてのうるはしさお姿すがたは申すもさらなり御心おこゝろだてとひお學問がくもんどころなき御方おかたさまにおもはれてやとはよもやおほせられまじ深山育みやまそだちのとしてくらものになるこゝろ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)