“安”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やす71.3%
やすん7.8%
いずく4.1%
あん3.3%
いづく2.5%
いづ2.0%
やすら2.0%
いずくん1.2%
いず0.8%
なん0.8%
やすらか0.8%
イズク0.8%
お0.4%
やすき0.4%
やすし0.4%
やすっ0.4%
やっ0.4%
ヤス0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自然界(しぜんかい)に法則(ほうそく)があれば、人間界(にんげんかい)にも法則(ほうそく)がある。どの星(ほし)を見(み)ても、ほこらしげに、また安(やす)らけく輝(かがや)くのは、天体(てんたい)の法則(ほうそく)を守(まも)るからだ。
アパートで聞いた話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
然(しかれ)どもなほ安(やすん)ぜず、窃(ひそか)に歎じて曰く宮本武蔵は※々(ひひ)を退治せり。洋人の色に飢るや綿羊を犯すものあり。僕未(いまだ)能(よ)くここに到るを得ずと。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
象山また復書を持ちて夷国に到らんと欲す、則ち曰く、「微臣別に謀を伐つの策あり、安(いずく)んぞ風船を得て聖東(ワシントン)に下らん」と。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
第二十一子模(ぼ)を瀋(しん)王とし、第二十二子楹(えい)を安(あん)王とし、第二十三子桱(けい)を唐(とう)王とし、第二十四子棟(とう)を郢(えい)王とし、第二十五子𣟗(い)を伊(い)王としたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼等は彫琢(てうたく)したる巧句を得べし、然れども妖魅せられざる前の巧句は人工なり、安(いづく)んぞ神霊に動かされたる天工の奇句を咏出する事を得んや。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
国民よ少しく省みよ、爾の中に爾の生気あらば、爾の中に爾の希望あらば、爾の中に爾の精神あらば、安(いづ)くんぞ此の婚嫁によつて爾の大事を決せんとするを要せむ。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
赤裸々(せきらゝ)に、眞面目(まじめ)に、謙遜(けんそん)に悔(く)ゐることの、悲痛(ひつう)な悲(かな)しみと、しかしながらまた不思議(ふしぎ)な安(やすら)かさとをも併(あは)せて經驗(けいけん)した。
悔 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
余安(いずくん)ゾ欣然トシテコレニ叙セザルヲ得ンヤ。嘉永辛亥皐月(さつき)江戸枕山大沼厚撰。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これこそ真に日本アルプスであると言って、帽子を振って、躍(おど)り上っていたそうだ、その森林は今安(いず)くに在(あ)る。
上高地風景保護論 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
安(なん)ぞ武器などの入り候べき
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
倘(もし)も、ふいと此の屍體を見たならば、誰にしたツて、穩(おだやか)に、安(やすらか)に眠ツてゐるものとしか思はれぬ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
主ニ反(ソム)イテ盗ミヲナス安(イズク)ンゾ期スベケンヤ——と。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岩下或は渓間に一小屋(せうおく)を構臼を安(お)き長柄杵(ながえぎね)(大坂踏杵(ふみきね)也)を設け、人のふむべき処に凹(くぼみ)をなして屋外に出す。泉落て凹処降る故、忽(たちまち)水こぼる。こぼれて空しければ杵頭(しよとう)降りて米穀摏(つ)ける也。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
一時のつけ元気で苦しさをまぎらかしたのも、姑息(こそく)の安(やすき)を偸(ぬす)んでわずかに頭を休めたのも月末という事実問題でひとたまりもなく打ちこわされてしまう。
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
会沢伯民は、諱(いみな)は安(やすし)、通称正志斎とも言はれた。東湖その他の水戸学者の稜々たる野性ぶりとは違つて、温厚篤実、心の底からの学者肌の人であつた。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
「いやその安価(やすい)のが私ゃ気に喰(く)わんのだが、先ず御互の議論が通ってあの予算で行くのだから、そう安(やすっ)ぽい直(す)ぐ欄(てすり)の倒れるような険呑(けんのん)なものは出来上らんと思うがね」と言って気を更(か)え
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「安(やっ)さん、なにぼんやりしとるとかい? 花見のやりなおしじゃ。こっちに、おいで」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
此人アルトキハ陣中自ラ重キヲナシ、将卒モミナ何トナク安(ヤス)ンジケリ。——とまで、三軍に仰がれていた重治だった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)