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安
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やすん
ふりがな文庫
“
安
(
やすん
)” の例文
然
(
しかれ
)
どもなほ
安
(
やすん
)
ぜず、
窃
(
ひそか
)
に歎じて曰く宮本武蔵は
※々
(
ひひ
)
を退治せり。洋人の色に飢るや綿羊を犯すものあり。僕
未
(
いまだ
)
能
(
よ
)
くここに到るを得ずと。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
怡然
(
たいぜん
)
として心に
安
(
やすん
)
じ宇宙に存在する霊気をして我の身体を平常体に復さしむるにあり、これ迷信にあらずして学術的の真理なり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
けれどもどうやらお綾さんが人間らしくなって来たので、いささか心を
安
(
やすん
)
じたは
可
(
い
)
いが——寝るとなると、櫛の寝息に、追続いた今の
呻吟
(
うめき
)
。……
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浮世
(
うきよ
)
に
鏡
(
かゞみ
)
といふ
物
(
もの
)
のなくば、
我
(
わ
)
が
妍
(
かほよ
)
きも
醜
(
みにく
)
きも
知
(
し
)
らで、
分
(
ぶん
)
に
安
(
やすん
)
じたる
思
(
おも
)
ひ、九
尺
(
しやく
)
二
間
(
けん
)
に
楊貴妃
(
ようきひ
)
小町
(
こまち
)
を
隱
(
か
)
くして、
美色
(
びしよく
)
の
前
(
まへ
)
だれ
掛
(
がけ
)
奧床
(
おくゆか
)
しうて
過
(
す
)
ぎぬべし
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
二年近い旅から帰って、抽斎は
勉
(
つと
)
めて徳に親んで、父の心を
安
(
やすん
)
ぜようとした。それから二年立って
優善
(
やすよし
)
が生れた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
実際これは彼の新不平に過ぎないので、不平を説いてはいるが、彼の分に
安
(
やすん
)
ずる一種の空論にしかあり得ない。
端午節
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
「必ずしも信仰そのものは僕の願ではない、信仰無くしては片時たりとも
安
(
やすん
)
ずる
能
(
あた
)
わざるほどにこの宇宙人生の秘義に悩まされんことが僕の願であります」
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
されど此間我胸中には、猶少しの寺院教育の
滓
(
かす
)
殘り居たれば、我も何となく自ら
安
(
やすん
)
ぜざる如き思をなすことありき。我はをり/\此滓のために
戒
(
いまし
)
められき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
人は誰しも其分に
安
(
やすん
)
じていなければならない。それには諦めが肝要である。諦めは安易を伴い、与えられた型に満足して其埒外に躍り出すことを断念させた。
山の今昔
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
それが判っていて、自分がその人情に
安
(
やすん
)
じられないから、伸子は悲しく苦しいのであった。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
自然の化育に従って、その性に従うものは従い、また
瓦石
(
がせき
)
ともなり
蚊虻
(
ぶんぼう
)
ともなって変化に
委
(
まか
)
せて行くべきものはまたその変化に
安
(
やすん
)
じて委せる。これが本当の「道」であるべきだ。
荘子
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
君子の信ずるところは小人の疑うところとなり、老婆の
安
(
やすん
)
ずる所は少年の笑うところとなる。新を
貪
(
むさぼ
)
る者は
陳
(
ちん
)
を
嫌
(
きら
)
い、古を好む者は
奇
(
き
)
を
怪
(
あやし
)
む。人心の
同
(
おなじ
)
からざる、なおその面のごとし。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
居
(
きよ
)
に
安
(
やすん
)
ぜぬあだ心。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
われは現時文壇の趨勢を顧慮せず、国の東西を問はず時の
古今
(
ここん
)
を論ぜず唯最もわれに近きものを求めてここに
安
(
やすん
)
ぜんと欲するものなり。
矢立のちび筆
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
南氷洋を囲みて同様なる陸の堤ありと探検家はいう。まことに神は海の大動揺をある範囲に止めて、人畜をして
安
(
やすん
)
じて地の上に住ましむるのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
何
(
ど
)
れほど
遠
(
とほ
)
くても
里
(
さと
)
に
出
(
で
)
らるゝ、
目
(
め
)
の
下
(
した
)
近
(
ちか
)
く
水
(
みづ
)
が
躍
(
おど
)
つて、
瀧
(
たき
)
になつて
落
(
お
)
つるのを
見
(
み
)
たら、
人家
(
じんか
)
が
近
(
ちかづ
)
いたと
心
(
こゝろ
)
を
安
(
やすん
)
ずるやうに、と
気
(
き
)
をつけて
孤家
(
ひとつや
)
の
見
(
み
)
えなくなつた
辺
(
あたり
)
で
指
(
ゆびさし
)
をしてくれた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
知らないままにのこっていることに、
安
(
やすん
)
じている。これは何故だろう。
女の歴史:そこにある判断と責任の姿
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
我も
否
(
いな
)
とも
諾
(
う
)
とも云ふ暇なくして、接吻せられき。母上片手にて我頬を
撫
(
さす
)
り、片手にて我衣をなほし給ふ。
手尖
(
てさき
)
の隱るゝまで袖を引き、又頸を越すまで襟を揚げなどして、やう/\心を
安
(
やすん
)
じ給ひき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
居
(
きよ
)
に
安
(
やすん
)
ぜぬあだ心。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
裏路地
(
うらろじ
)
の
佗住居
(
わびずまい
)
も
自
(
みずか
)
ら
安
(
やすん
)
ずる処あらばまた全く画興詩情なしといふべからず、金殿玉楼も心なくんば春花秋月なほ
瓦礫
(
がれき
)
に
均
(
ひと
)
しかるべし。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
もしなお余の熱心の足らざるを以て余を責むるものあらば、余は余の運命に
安
(
やすん
)
ずるより
他
(
た
)
に
途
(
みち
)
なきなり。
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
されば我らは地を見てそこに神の愛を悟るべきである。そして
安
(
やすん
)
ずべきである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
“安”の意味
《名詞》
(アン)安らかなこと。
(出典:Wiktionary)
安
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
“安”を含む語句
安息
安楽椅子
安価
平安
安房
安居
安易
安静
安堵
心安
安楽
心安立
安値
安曇
安穩
安西
安定
安平
安心
安穏
...