“佗住居”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わびずまい85.7%
わびずまひ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
裏路地うらろじ佗住居わびずまいみずかやすんずる処あらばまた全く画興詩情なしといふべからず、金殿玉楼も心なくんば春花秋月なほ瓦礫がれきひとしかるべし。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
落城後らくじょうごわたくしがあの諸磯もろいそ海辺うみべ佗住居わびずまいをして時分じぶんなどは、何度なんど何度なんどおとずれてて、なにかとわたくしちからをつけてくれました。
潜門くゞりもん板屋根いたやねにはせたやなぎからくも若芽わかめの緑をつけた枝をたらしてゐる。冬の昼過ひるすひそかに米八よねはちが病気の丹次郎たんじらうをおとづれたのもかゝる佗住居わびずまひ戸口とぐちであつたらう。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
路地は其等の浮世絵に見る如く今も昔と変りなく細民の棲息する処、日の当つた表通からは見る事の出来ない種々さま/″\なる生活が潜みかくれてゐる。佗住居わびずまひ果敢はかなさもある。隠棲の平和もある。
路地 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)