“潜門”のいろいろな読み方と例文
旧字:潛門
読み方割合
くぐりもん48.6%
くぐり28.6%
くゞりもん20.0%
くゞリもん2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
路地の内ながらささやかな潜門くぐりもんがあり、小庭があり、手水鉢ちょうずばちのほとりには思いがけない椿の古木があって四十雀しじゅうから藪鶯やぶうぐいすが来る。
花火 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「ご念の入ったことで……今日は、表門おもてからではなく、裏の潜門くぐりからお入れくださいまして、池の乱杭石のあたりへおとめ置きねがいます」
西林図 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すると流水は丁度何處へか出掛ける處と見えて、狹い借家の潜門くゞりもんで、「珍らしいぢやないですか。別に用事ぢやない。まア上つて下さい。」
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
またおしやまな娘美登里みどりの住んでゐた大黒屋の寮なども大方このあたりのすたれた寺や、風雅な潜門くゞリもんの家を、其のまゝ資料にしたものであらうと
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)