“手水鉢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょうずばち81.9%
てうづばち13.3%
ちょうず1.0%
てうずばち1.0%
てふづばち1.0%
てみずばち1.0%
てみづばち1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
袖にまつわるあぶを払いながら、老人は縁さきへ引返して、泥だらけの手を手水鉢ちょうずばちで洗って、わたしをいつもの八畳の座敷へ通した。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この手水鉢てうづばちの下の植込みと、白い砂利が血に洗はれて居ります。これは曲者が主人を斬つた後で脇差わきざしの刄を洗つたのでございます。
ひととき、「入れ食いの手水鉢ちょうず」のように釣れる。多いときには、一度に五、六尾はりにかかってくる。ボックスの戸をあけてみると、一間先も見えないくらいに吹雪ふぶいている。
江戸前の釣り (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
そして縁の柱によったまゝ、手水鉢てうずばちのそばの紫陽花あぢさいの葉をちぎってた嫂は、そこを通りすぎやうとした。
(新字旧仮名) / 素木しづ(著)
幾ら水を換へて置いても、雨上あめあがりには屹度、手水鉢てふづばちの底に蚯蚓が四五匹づゝウヨ/\してゐた。家が古いから屋根から流れ込むのであらう。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
代助は父に呼ばれてから二三日の間、庭の隅に咲いた薔薇ばらの花の赤いのを見るたびに、それが点々として眼を刺してならなかった。その時は、いつでも、手水鉢てみずばちの傍にある、擬宝珠ぎぼしゅの葉に眼を移した。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
代助はちゝばれてから二三日のあひだにはすみに咲いた薔薇ばらはなあかいのを見るたびに、それが点々てん/\としてしてならなかつた。其時は、いつでも、手水鉢てみづばちそばにある、擬宝珠ぎぼしゆうつした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)