“点々”のいろいろな読み方と例文
旧字:點々
読み方割合
てんてん33.3%
てん/\12.5%
ぼちぼち8.3%
ぽち/\4.2%
たらたら4.2%
ほろほろ4.2%
ぼつぼつ4.2%
ぽちぽち4.2%
ぽっちり4.2%
ぽっちりぽっちり4.2%
ぽつちり/\4.2%
ぽつぽつ4.2%
ぽつ/\4.2%
ポチポチ4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母親ははおやは、むすめがそれをて、こころでおかあさんのくせがはじまったとおもっているのもらずに、ばしのさきで、火鉢ひばちはいうえに、点々てんてんをつけていました。
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて、座敷から、昼間ひるま買つた百合ゆりの花を取つてて、自分の周囲まはりき散らした。白い花瓣くわべん点々てん/\として月のひかりえた。あるものは、木下やみほのめいた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
檜葉ひばもみなどの古葉貧しげなるを望むべき窓の外に、庭ともあらず打荒れたる広場は、唯うららかなる日影のみぞゆたか置余おきあまして、そこらの梅の点々ぼちぼちと咲初めたるも、おのづから怠り勝に風情ふぜい作らずと見ゆれど
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
白魚しらうをのやうなくろ点々ぽち/\ひとえた……くちからは不躾ぶしつけながら、らるゝとほいましめの後手うしろでなれば、ゆびさへ随意まゝにはうごかされず……あゝ、くるしい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と色をかえてわなないた。主税はしかも点々たらたらと汗を流して
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼はその酒を取りて、き事積りし後の凶の凶なる今夜の末期まつごむくゆるの、可哀あはれに余り、可悲かなしきにすぐるを観じては、口にこそ言はざりけれど、玉成す涙は点々ほろほろと散りてこぼれぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一つ、大きなもの音のしたあとは、目の前の階子段も深い穴のように見えて、白い灯も霜を敷いたさまに床に寂しい。木目の節の、点々ぼつぼつ黒いのも鼠の足跡かと思われる。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(ボーン、ボーン、ボーン、)と云うのが、ねばねばと、重っくるしく、納豆の糸を引くように、そして、点々ぽちぽちと切れて、蒼蠅の羽音やら、やつの声やら分らぬ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
明日あくるひになると、母様の眼を忍んで小銀が裏庭へ出て見ると、枝折戸しおりどの処から、点々ぽっちりずつ、あの昨夜ゆうべの胡麻がこぼれ出して、細い、暗い、背戸山の坂道へかかっているのを、拾い拾い、ずッとずッと
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さっきは雨脚あめあしが繁くって、まるで、薄墨でいたよう、堤防どてだの、石垣だの、蛇籠じゃかごだの、中洲なかすに草の生えた処だのが、点々ぽっちりぽっちり、あちらこちらに黒ずんでいて、それで湿っぽくって
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さつきは雨脚あめあししげくつて、宛然まるで薄墨うすゞみいたやう、堤防どてだの、石垣いしがきだの、蛇籠じやかごだの、中洲なかずくさへたところだのが、点々ぽつちり/\彼方此方あちらこちらくろずんでて、それで湿しめつぽくツて
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
紅白段々だんだら洋傘こうもりは、小さくまりのようになって、人のかしら入交いれまぜに、空へ突きながらくかと見えて、一条道ひとすじみちのそこまでは一軒の苫屋とまやもない、彼方かなた大崩壊の腰を、点々ぽつぽつ
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さけぶのが、はるかに、よわ稲妻いなづまのやうに夜中よなかはしつて、提灯ちやうちん点々ぽつ/\なはて徉徜さまよふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それはバタで。」「この点々ポチポチは何だ。」「それは辛子からしで御座います。」「青い眼玉はどうした。」俺はつくづく苦笑した
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)