“洋傘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうもり48.0%
かうもり12.0%
かさ11.3%
パラソル8.7%
かうもりがさ5.3%
ようがさ5.3%
こうもりがさ3.3%
コウモリ2.7%
かふもり1.3%
ひがさ0.7%
アンブレラ0.7%
コーモリ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いわぬことか、いいものをひろってきた。」といって、洋傘こうもりひらいてさしてあるきますとあたまうえで、クンクン小犬こいぬのなきごえがしました。
犬と古洋傘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おつたはやゝ褐色ちやいろめた毛繻子けじゆす洋傘かうもりかたけたまゝ其處そこらにこぼれた蕎麥そば種子まぬやう注意ちういしつゝ勘次かんじ横手よこてどまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その洋傘かさだって、お前さん、新規な涼しいんじゃないでしょう。旅で田舎を持ち歩行あるいた、黄色い汚点しみだらけなんじゃありませんか。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
旅商人たびあきうどけば、蝙蝠傘かうもりがさ張替直はりかへなほしもとほる。洋裝やうさうしたぼつちやんのいて、麥藁帽むぎわらばう山腹さんぷくくさつてのぼると、しろ洋傘パラソル婦人ふじんつゞく。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
洋傘かうもりがさは二本あつても、一本を高田氏に呉れてやつたら事は済む。「真理」が二つあつたら、博士は首をめなければならなかつたらう。
うわさに聞く婦人の断髪こそやや下火になったが、深い窓から出て来たような少女のはかまを着け、洋書と洋傘ようがさとを携えるのも目につく。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「ふん。そいつは勿論もちろん教えてやる。いいか、そら。」紳士はポケットから小さくたたんだ洋傘こうもりがさの骨のようなものを出しました。
『なに窓ですって?』と聞き返しますと、『わしが、こわそうというわけだよ』と言ったかと思うと、持っていた洋傘コウモリで、あの通り破ったのです
ほんに御門ごもんまへとほことはありとも木綿着物もめんきもの毛繻子けじゆす洋傘かふもりさしたときにはす/\お二かいすだれながら、あゝせきなにをしてことかとおもひやるばかり行過ゆきすぎて仕舞しまひまする
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と澄ました顔で、洋傘ひがさを持って来た柄の方を返して出すと、夫人は手巾を持換えて、そうでない方の手に取ったが……不思議にこの男のは汗ばんでいなかった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「私の傘つぼめちゃうわ。貴君のに、入れてね。」美和子は、自分の小さい洋傘アンブレラをつぼめると、美沢の手にすがって来た。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
彼女は路傍の砂利積に撒布まいた石灰の上に黒い洋傘コーモリを投げ出して、両袂を顔に当てながら泣きジャクリ始めた。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)