“歩行”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ある65.5%
あるき11.9%
あるく3.4%
あゆみ3.0%
あるい3.0%
あゆ2.1%
かち2.1%
ほこう1.7%
あゆむ0.9%
あんよ0.9%
(他:13)5.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“歩行”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語5.9%
文学 > 日本文学 > 戯曲5.8%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行1.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
その上、もう気がたるみ、すじゆるんで、歩行あるくのにきが来て、喜ばねばならぬ人家が近づいたのも
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
優しくせなを押したのだけれども、小僧には襟首をつまんで引立てられる気がして、手足をすくめて、宙を歩行あるいた。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
下谷したやの方から来ていた、よいよいのじいさんは、使い歩行あるきをさせるのもみじめなようで、すぐにめてしまった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
歩行あるき出す、と暗くなり掛けた影法師も、はげしい人脚の塵に消えて、天満てんま筋の真昼間まっぴるま
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
歩行あるくにも内端うちわで、俯向うつむがちで、豆腐屋とうふやも、八百屋やほやだまつてとほる。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さうおこつてはこまる喧嘩けんくわしながら歩行あるく往来わうらいひとわらふぢやアないか。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ナァニ、こんな物が重いものか」と、追い立てるようにして出発したが、その遅いこと牛の歩行あゆみよろしくである。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
みのるの着物の裾はすつかり濡れて、足袋と下駄の臺のうしろにぴつたり密着くつついては歩行あゆみのあがきを惡るくしてゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
振袖姿ふりそですがたのすらりとした女が、音もせず、向う二階の椽側えんがわ寂然じゃくねんとして歩行あるいて行く。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昔し房州ぼうしゅう館山たてやまから向うへ突き抜けて、上総かずさから銚子ちょうしまで浜伝いに歩行あるいた事がある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
呼吸いきを殺して従いくに、阿房あほうはさりとも知らざるさまにて、ほとんど足を曳摺ひきずる如く杖にすがりて歩行あゆけり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
車馬の通行を留めた場所とて、人目の恥に歩行あゆみもならず、——金方きんかたの計らいで、——万松亭ばんしょうていというみぎわなる料理店に、とにかく引籠ひっこもる事にした。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もはや、太鼓の音だ。おのおの抜き身のやりを手にした六人の騎馬武者と二十人ばかりの歩行かち武者とを先頭にして、各部隊が東の方角から順に街道を踏んで来た。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
道すがら巣林子の曲を評しあひ、治兵衛梅川などわが老畸人の得意の節おもしろく間拍子とるに歩行かちも苦しからず、じやの滝をも一見せばやと思しが、そこへもおりず巌角にいこひ
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
と、雑魚ざこのようにむらがってきて、龍太郎りゅうたろうや蔦之助たちの歩行ほこうをじゃまするやからもある。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みづかしつ中央部ちゆうおうぶまでうごいたけれども、それ以上いじよう歩行ほこうすることは困難こんなんであつて
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
折要歩せつえうほは、そつ拔足ぬきあしするがごとく、歩行あゆむわざなやむをふ、ざつ癪持しやくもち姿すがたなり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その歩行あゆむや、この巡査には一定の法則ありて存するがごとく、おそからず、早からず、着々歩を進めてみちを行くに、身体からだはきっとして立ちて左右に寸毫すんごうも傾かず、決然自若たる態度には一種犯すべからざる威厳を備えつ。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「もう少しの辛抱ですよ。辛抱していさえすれば、今に歩行あんよもできるし、坊やの好きな西洋料理も食べられるし、みんなで浅草へでもどこへでも行きましょうね。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「占めたな! おめえじっとしてる方が可いけれど、ちっとも構わねえけれど、おきられるか、ってみろ一番、そうすりゃしゃんしゃんだ。気さえたしかになりゃ、何お前案じるほどの容体じゃあねえんだぜ。」と、七兵衛は孫をつかまえて歩行あんよは上手の格で力をつける。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
且つその顔色かおつきが、紋附の羽織で、ふきの厚い内君マダムと、水兵服の坊やを連れて、別に一人抱いて、鮨にしようか、汁粉にしようか、と歩行てくっている紳士のような、平和な、楽しげなものではなく、主税は何か、思い屈した、沈んだ、憂わしげな色が見える。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……というのは羽織袴です——弁持も私も、銀行は同一おなじ取引の資産家だから、出掛けに、捨利すてりで一着に及んだ礼服を、返りがけに質屋の店さきで、腰を掛けながら引剥ひっぱぐと、江戸川べりの冬空に——いいかね——青山から、歩行てくで一度中の橋手前の銀行へ寄ったんだ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
姥 たまたまふもとへお歩行ひろいが。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おれは今まではたけにいたが、餅草もちぐさどころじゃあらすか。きょうのお通りは正五しょういつどきだげな。殿様は下町の笹屋ささやの前まで馬にっておいでで、それから御本陣までお歩行ひろいだげな。お前さまも出て見さっせれや。」
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
まだ其上に腕車くるまやら自転車やらお馬やらお馬車やら折々はわざと手軽に甲斐々々しい洋服出立のお歩行ひろひで何から何まで一生懸命に憂身うきみやつされた。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
途中からのお歩行ひろひは、いつにない図と、二人の女中。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
さうとする勇氣ゆうきはなく、およ人間にんげん歩行ほかうに、ありツたけのおそさで、あせになりながら
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
第七 一ヶげつ五六かなら村里むらざとはなれたる山林さんりんあるひ海濱はまべで、四五みち歩行ほかうすべきこと
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
歩行あがきは灯を持った少女の如く新しく美しき珍しさを以て彼に来た。
人馬のにひ妻 (新字新仮名) / ロード・ダンセイニ(著)
「むかうへむく/\と霧が出て、そつとして居る時は天気ぢやがの、此方こちらの方から雲が出て、そろ/\両方から歩行あよびよつて、一所ひとつになる時が此の雨ぢや。びしよ/\降ると寒うござるで、老寄としよりには何より恐しうござるわいの。」
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あわれわれこのかんに処していかにせむと、手をこまぬきて歩行ありくなりき。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
娘おとなしく成りて、やがて嫁入屏風を拵へとらせけるに、洛中づくしを見たらば見ぬ所を歩行ありきたがるべし、源氏伊勢物語は心のいたづらになりぬべき物なりと、多田の銀山かなやま出盛りし有樣書せける」などの殊勝な心掛けの分限者の事やら、「ぬり下駄片足なるを水風呂の下へ燒く時つくづくむかしを思出し
金銭の話 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
「そうじゃろが、この婆もちと、きょうは歩行ひろい飽いた。したが、さすがに住吉のやしろ、見事な結構ではある。……ホホ、これが若宮八幡の秘木とかいう橘の樹かいの」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)