金銭の話きんせんのはなし
宵越しの金は持たぬなどといふ例の江戸つ子氣質は、いまは國家のためにもゆゆしき罪惡で、なんとかして二、三千圓も貯金してお國の役に立ちたいと思ふものの、どういふわけかお金が殘らぬ。むかしの藝術家たちには、とかく貯金をいやしむ風習があつて、赤貧洗 …