“奴僕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬぼく76.6%
しもべ10.6%
どぼく8.5%
げなん2.1%
でつち2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
疑いも無く昇は、課長の信用、三文不通の信用、主人が奴僕ぬぼくに措く如き信用を得ていると云ッて、それを鼻に掛けているに相違ない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
土地のしゅうという家に一人の奴僕しもべがあった。ある日、たきぎを伐るために、妻と妹をつれて山の中へ分け入ると、奴僕はだしぬけに二人に言った。
良家の女子、強いて禽妝きんしょうを委して、※気冤氛れいきえんふん、暗く天日無し。奴僕どぼく一たび到れば、則ち守令顔をけ、書函一たび投ずれば、則ち司院法をぐ。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
華陰かいんへきた時、先発の奴僕げなんどもは豚を殺し羊をあぶって、主人の張の着くのを待っていた。黄いろな服を着た男がどこからきたともなしに入ってきて、御馳走のかまえをしてある処へ坐った。
賭博の負債 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
六波羅の野邊にて奴僕でつちもろとも苦參たうやくを引いて、これを陰干にして腹藥になるぞと、ただは通らず、けつまづく所で燧石ひうちいしを拾いて袂に入れける、朝夕の煙を立つる世帶持は
金銭の話 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)