“震”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふる86.3%
2.6%
しん1.7%
1.7%
ふるい1.3%
おのの0.9%
ふるえ0.9%
ふるひ0.9%
ぶる0.9%
わな0.9%
ふるへ0.4%
ちじ0.4%
ふるわ0.4%
ぶるひ0.4%
ゆす0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
庭の桔梗ききょうの紫うごき、雁来紅けいとうの葉の紅そよぎ、撫子なでしこの淡紅なびき、向日葵ひまわりの黄うなずき、夏萩の臙脂えんじ乱れ、蝉の声、虫のも風につれてふるえた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
かれここに速須佐の男の命、まをしたまはく、「然らば天照らす大御神にまをして罷りなむ」とまをして、天にまゐ上りたまふ時に、山川悉にとよみ國土皆りき
楊はしばらくその匣を撫でまわしていたが、やがて匣の上にしんが金字で彫ってあるのを見いだして、彼は笑った。
中腰になったままで、ぼんのくぼへ、ずッぷり鍼をおろして、二三度強くりこんだ。……度胸がいいようだが、やったとなると、あとはもう逃げ出したい一心。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ここに到りて老婦人はもはや黙することを得ず、りんたるさりながらややふるいを帯びたる声にてはじめて一言、「華族じゃぞ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
閃々、たがいに白虹はっこうを描き、鏘々しょうしょう、共につばおののき鳴らす。——そして魏延の足が劉璋へ近づこうとすれば張任の眼と剣は、きっと、玄徳へ向って、殺気をはしらせた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、しかふるえを帯びた声で、更めて名を呼んで
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ほんたうに左様さうだネ、悪魔と天女、まア好絶妙絶の美術的作品とはアレだらうか、僕は昨夜ゆうべも演説会で、梅子さんの為めに、幾度同情の涙を拭いたか知れないのだ、の美しき歌もふるひを帯んで
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
第一、日本程借金を拵らへて、貧乏ぶるひをしてゐる国はありやしない。此借金が君、何時いつになつたら返せると思ふか。そりや外債位は返せるだらう。けれども、そればかりが借金ぢやありやしない。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
と同時に、(老いたる尊とき導師はわななくダンテの手をひいて、更に他の修羅圈内に進んだのであらう。)新らしき一陣の殺氣さつおもてを打つて、別箇の光景をこの室内に描き出したのである。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
持ばふるへいでやりも同樣手跡しゆせきに於ては惡筆の上なしゆゑとんと其方は不得手ふえてなりと申に長兵衞は若々其樣に御卑下ごひげなされては御相談が出來ぬと云を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ちじみ上った様子をして、彼女は吉乃の肩に手をかけていた。
操守 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
お種は激しく身体をふるわせた。父が吟じたという古歌——それはやがて彼女の遣瀬やるせない心であるかのように、殊に力を入れて吟じて聞かせた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
寒さは寒し恐しさにがた/\ぶるひ少しもまず、つひ東雲しのゝめまで立竦たちすくみつ、四辺あたりのしらむに心を安んじ、圧へたる戸を引開くれば、臥戸ふしどには藻脱もぬけの殻のみ残りて我も婦人も見えざりけり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わたくしは「ああ」といって身体をゆすった。もう逸作に反対する勇気はなかった。わたくしはあまりにも潔癖過ぎる家伝の良心にさいなまれることが度々ある。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)