“虐”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しいた31.3%
むご22.2%
いじ16.8%
さいな9.1%
しひた7.4%
いぢ4.0%
しえた1.3%
さい1.0%
しひたげ1.0%
ひし1.0%
(他:14)4.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“虐”を含む作品のジャンル比率
文学 > イタリア文学 > 詩64.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語6.3%
文学 > 日本文学 > 戯曲4.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
弱きもの、貧しきもの、愚かなものをしいたぐる、あるいはそしらぬ顔の傲慢ごうまんほど憎むべきものがありましょうか。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
もちろん憂鬱ゆううつではなかったけれど、若い女のもっている自由な感情は、いくらかしいたげられているらしく見えた。
蒼白い月 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
專次の顏には悲痛な色が動きました。一生懸命、そむける眼が、ツイお今のむごたらしい死骸にひき付けられる樣子です。
主人の彦太郎の顏には、不滿らしい色が浮びます。むごたらしい死骸を前にして、平次の見當違ひがもどかしかつたのでせう。
諏訪 いいことよ、妾少しいじめてやりたいの、この子を。ええそう虐められてもいいわけがあるのよ、この子はね。ふふ……。
華々しき一族 (新字新仮名) / 森本薫(著)
何でもその言葉によると、彼等はその男を憎むあまり、彼の飼っている牛馬をもきずつけたりいじめたりするらしかった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それがだんだんこうじて来ると、今度はごく些細ささいな刺戟からも、絶えず神経をさいなまれるような姿になった。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それだのに眼の前に見えている、大門まで一気に行けないのは、疲労と衰弱とが極端に、金兵衛をさいなんでいるからであろう。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
斯く早くもかの財寶たからに飽けるか、汝はそのため欺いて美しき淑女をとらへ後しひたぐるをさへ恐れざりしを 五五—五七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
モンターニアをしひたげし古き新しきヴェルルッキオの猛犬あらいぬもとの處にゐてその齒をきりとす 四六—四八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
一週間に二三度どころか一日に一度も二度も、寧ろ續けさまに、ジョンは、私を、いぢめたり、ひどい目に遭はせたりした。
何よりも圭子を失望させたのは、父親に言はれて来たらしい、いぢめられたら警察へ飛込むのだといふことだつた。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
二郎は邸を見廻って、強い奴が弱い奴をしえたげたり、いさかいをしたり、盗みをしたりするのを取り締まっているのである。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
が、こしらえものより毬唄の方が、現実を曝露ばくろして、——女はすみやかしえたげられているらしい。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分と云う性根のない女を、思いきりさいなんでもらわなければならないような気がした。
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
押えられ押えられしていた病魔が、一どきに彼女をさいなみにかかったのである。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
またいかなるしひたげわが身に及ぶも恐るゝなかれ、さきにもかゝる爭ひにのぞめることあれば我よくこれらの事を知る 六一—六三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
我を神のみもとに導きゐたる淑女いひけるは。思ひを變へよ、一切のしひたげを輕むるものにわが近きを思ふべし。 四—六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
氏神うじがみのお子ぞ。お日様の生かしている人間じゃぞよ。何で、物に指をくわえて、物の下にひしがれてよいものぞ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——年久しく、磐石ばんじゃくもとひしがれていた愛慾の芽はそうして、にわかに彼の胸に育てられていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
参木は明らかに山口から嘲弄されたのを知っていた。だが、彼は山口からアジヤ主義の講義でいためられるよりはこのオルガと音楽の話をしている方が愉快であった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
このやうにむごい目にあはされてゐるのです! その胸に可哀さうなこの孤兒みなしごを抱きしめて下さい! 廣い世の中に身の置きどころもなく、みんなからいためつけられてゐるのです!……お母さん
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
いつものしひたげられた氣持や懷疑心や孤獨な憂鬱いううつが、くづれゆく憤激の餘燼よじんに、めと落ちかゝつた。
故に國家多端にして財用の足らざるを苦むとも、租税の定制を確守し、上を損じて下をしひたげぬもの也。
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
「これというのも私共が貧乏なばっかりに起ったことだ。立派なお医者様にかけられる身分なら、誰が大事な独り息子を、禁厭まじなってもらいなどするものか! 貧乏だと思って皆が、じめるからこんなことになってしまったんじゃあないか!」
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
一體おれうして何樣こんなに意固地いこぢなんだらう。俺が惡く意固地だから、家が何時いつもごたすたしてゐる。成程俺はさいいびり過ぎる………ンなら妻がにくいのかといふにうでもない。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ま、うでせう、貴方あなた御一緒ごいつしよになツてから、もう三年にもなりますけれども、何時いつの日曜に散歩でもて見ないかと有仰おつしやツたことがあツて? 何時いつだツてうちにばかり引込むでひといびツてばかりゐらツしやるのぢやありませんか。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「玄徳、常に民をぎゃくし、こんど勅使の巡察に、その罪状の発覚を恐るるや、かえって勅使に暴行を加え、良民を煽動せんどうして乱をたくめど、その事、いちはやく官の知るところとなり、一族をつれて夜にまぎれ、無断官地を捨てて逃げ去る——と」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されば夫婦の間は、何時か不和ふわになツて、父はぎやく待する、母は反抗する、一粉統ごだ/\としと共につのるばかりであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「あなたは、どうかして、わたしを助けようなんて考えていたら、大間違いですよ。昔と明治の御世とは、人間の生命いのち値打ねうちがちがいますからね。……だけど、あたしゃあもう、生きるのに草臥くたびれちまった。こんな豚にき使われて」
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丁度あの切支丹が、彼等のマリア観音を壁に隠して、秘密に信仰をつづけたように、我々のしいたげられた詩人たちも、同じくその芸術を守るために、秘密な信仰をつづけねばならなかった。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
昔からしいたげられて来た露西亜ロシアに勝った日本だ。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
意志の実行——意志の実行のためにしへたげられた人間の魂ではなかつたか。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
弱きもののしへたげられ、ほろぼさるゝ光景であつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
どうしてこういう婦人がこの立派な主人を独専して良いものか疑わしくなったばかりではなく出来ることならこの主人から細君を追放してみたく思うことさえときどきあるのを考えても軽部が私につらくあたってくる気持ちが手にとるように分って来て
機械 (新字新仮名) / 横光利一(著)
役人も現場のむごたらしさに、ひどくタジタジとなつて居ります。