“虐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しいた29.5%
むご25.0%
いじ17.9%
さいな8.6%
しひた6.8%
いぢ3.6%
しえた1.2%
さい0.9%
しひたげ0.9%
ひし0.9%
いた0.6%
しひ0.6%
いび0.3%
しへた0.3%
シイタ0.3%
0.3%
ぎゃく0.3%
ぎやく0.3%
0.3%
さひな0.3%
しい0.3%
しいたげ0.3%
つら0.3%
むごた0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眼に触るる人をしいたげて、その血をむさぼってやりたい心持が、ようやく首を持ち上げてみると、刀のないことが、もどかしくてたまりません。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
象徴派の新運動は、その本質上の精神に於て、正しく浪漫派の復活であり、しいたげられたる自由と感情とを、詩に於て取り返そうとした革命である。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
「意地が惡いなア、親分。あの娘はそんな、人殺しをした上、ひさしにブラ下げるなんて、そんなむごたらしいこと、出來る娘ぢやありませんよ」
「二人が死んだ後で、誰か伊太郎の懷ろを拔いたに違げえねえ。が、こんなむごたらしい死骸から財布を拔くのは通りすがりの人間でない事は確かだ」
ばかりじゃない、そのもはや完全に近い今松の上へ、さらにいろいろさまざまの雨や雪やみぞれあられや炭を降らせた、そうして、いじめた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「しかし、僕は中国の人々が日本のブルジョアジーを攻撃するのは、結果に於て日本のプロレタリアをいじめているのと同様だと思うんですよ。」
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
赤児まで敵の片割れとばかり斬りさいなんで、札荅蘭ジャダラン族は一人あまさず、かの砂漠の虎、成吉思汗ジンギスカンめの餌食となるのか——。
そして私が自分の鬱屈した部屋から逃げ出してわれとわが身を責めさいなんでいた間に、彼らはほんとうに寒気と飢えで死んでしまったのである。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
世帶の苦勞に、しひたげ拔かれたお關が、伜の憂鬱症を救ふ唯一の道として、母子心中をくはだてたことも、また考へられない節ではありません。
しひたげられし人々に世はその常の如く罪を歸すべし、されど刑罰はこれをわかち與ふるものなるまことの爲のあかしとならむ 五二—五四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
一週間に二三度どころか一日に一度も二度も、寧ろ續けさまに、ジョンは、私を、いぢめたり、ひどい目に遭はせたりした。
何よりも圭子を失望させたのは、父親に言はれて来たらしい、いぢめられたら警察へ飛込むのだといふことだつた。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
二郎は邸を見廻って、強い奴が弱い奴をしえたげたり、いさかいをしたり、盗みをしたりするのを取り締まっているのである。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
が、こしらえものより毬唄の方が、現実を曝露ばくろして、——女はすみやかしえたげられているらしい。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分と云う性根のない女を、思いきりさいなんでもらわなければならないような気がした。
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
押えられ押えられしていた病魔が、一どきに彼女をさいなみにかかったのである。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
またいかなるしひたげわが身に及ぶも恐るゝなかれ、さきにもかゝる爭ひにのぞめることあれば我よくこれらの事を知る 六一—六三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
しひたげの罪のしもとはさもあらばあれ、
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
氏神うじがみのお子ぞ。お日様の生かしている人間じゃぞよ。何で、物に指をくわえて、物の下にひしがれてよいものぞ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——年久しく、磐石ばんじゃくもとひしがれていた愛慾の芽はそうして、にわかに彼の胸に育てられていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
参木は明らかに山口から嘲弄されたのを知っていた。だが、彼は山口からアジヤ主義の講義でいためられるよりはこのオルガと音楽の話をしている方が愉快であった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
このやうにむごい目にあはされてゐるのです! その胸に可哀さうなこの孤兒みなしごを抱きしめて下さい! 廣い世の中に身の置きどころもなく、みんなからいためつけられてゐるのです!……お母さん
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
いつものしひたげられた氣持や懷疑心や孤獨な憂鬱いううつが、くづれゆく憤激の餘燼よじんに、めと落ちかゝつた。
故に國家多端にして財用の足らざるを苦むとも、租税の定制を確守し、上を損じて下をしひたげぬもの也。
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
一體おれうして何樣こんなに意固地いこぢなんだらう。俺が惡く意固地だから、家が何時いつもごたすたしてゐる。成程俺はさいいびり過ぎる………ンなら妻がにくいのかといふにうでもない。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ま、うでせう、貴方あなた御一緒ごいつしよになツてから、もう三年にもなりますけれども、何時いつの日曜に散歩でもて見ないかと有仰おつしやツたことがあツて? 何時いつだツてうちにばかり引込むでひといびツてばかりゐらツしやるのぢやありませんか。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
意志の実行——意志の実行のためにしへたげられた人間の魂ではなかつたか。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
弱きもののしへたげられ、ほろぼさるゝ光景であつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
 大名府ダイミョウフ、及ビ天下ノ人士ニ告グ 今ヤ、大宋国タイソウコクニアリテハカミ濫官ランカンクライニアリ シモ汚吏権オリケンホシイママニ、良民ヲシイタ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「貉になれっていうわけかい。おい李固さん、お役所前の戒石いしぶみに、こうってあるのをしらねえな。——下民ハシイタゲ得ルトモ、上天ハアザムキ難シ——と。真っぴら、真っぴら。後日、提刑官ていけいかん(監察)に睨まれて、かかりあいになるなんざアご免だよ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これというのも私共が貧乏なばっかりに起ったことだ。立派なお医者様にかけられる身分なら、誰が大事な独り息子を、禁厭まじなってもらいなどするものか! 貧乏だと思って皆が、じめるからこんなことになってしまったんじゃあないか!」
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「玄徳、常に民をぎゃくし、こんど勅使の巡察に、その罪状の発覚を恐るるや、かえって勅使に暴行を加え、良民を煽動せんどうして乱をたくめど、その事、いちはやく官の知るところとなり、一族をつれて夜にまぎれ、無断官地を捨てて逃げ去る——と」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されば夫婦の間は、何時か不和ふわになツて、父はぎやく待する、母は反抗する、一粉統ごだ/\としと共につのるばかりであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「あなたは、どうかして、わたしを助けようなんて考えていたら、大間違いですよ。昔と明治の御世とは、人間の生命いのち値打ねうちがちがいますからね。……だけど、あたしゃあもう、生きるのに草臥くたびれちまった。こんな豚にき使われて」
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瞬間! 今の瞬間! それがあの女の生の終極! もはやその荒波の中にもまれてさひなまれてそして呼吸も絶え果てゝ了つてゐる。
波の音 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
丁度あの切支丹等が、彼等のマリア観音を壁に隠して、秘密に信仰をつづけたように、我々のしいたげられた詩人たちも、同じくその芸術を守るために、秘密な信仰をつづけねばならなかった。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
昔からしいたげられて来た露西亜ロシアに勝った日本だ。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
どうしてこういう婦人がこの立派な主人を独専して良いものか疑わしくなったばかりではなく出来ることならこの主人から細君を追放してみたく思うことさえときどきあるのを考えても軽部が私につらくあたってくる気持ちが手にとるように分って来て
機械 (新字新仮名) / 横光利一(著)
役人も現場のむごたらしさに、ひどくタジタジとなつて居ります。