“虐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しいた30.1%
むご24.2%
いじ18.7%
さいな8.9%
しひた6.7%
いぢ3.3%
しえた1.1%
さい0.8%
しひたげ0.8%
ひし0.8%
いた0.6%
しひ0.6%
いび0.3%
しへた0.3%
シイタ0.3%
い0.3%
ぎゃく0.3%
ぎやく0.3%
こ0.3%
さひな0.3%
しい0.3%
しいたげ0.3%
つら0.3%
むごた0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人間が、人間を虐(しいた)げ、踏みつけ、搾取することを、えらくなると考えることは、半世紀ばかり前の考えだと、私たちは思っています。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「神や仏が、そんな虐(むご)たらしい事をする道理はないじゃありませんか、ね親分。五人の子供の親達の嘆きは、見ちゃいられませんよ」
ばかりじゃない、そのもはや完全に近い今松の上へ、さらにいろいろさまざまの雨や雪や霙(みぞれ)や霰(あられ)や炭を降らせた、そうして、虐(いじ)めた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
彼(もしくは彼女)を苦しめ虐(さいな)んだ不正者には、法律の許す範囲において自己を防禦する術があります。然し死人に口はありません。
死者の権利 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
從つて自分がいま生きてゐるといふ喜びを自覺しないで、尊い生を無意義に必ず虐(しひた)げられてあることを思つて悲しんだのであつた。
三十三の死 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
「とに角お上と云ふ奴があんまり滅茶(めちや)な虐(いぢ)め方をしやがるからみんながいぢけちやつたんだ。人間が堪へる力にも限度があるからな。」
二郎は邸を見廻って、強い奴が弱い奴を虐(しえた)げたり、諍(いさか)いをしたり、盗みをしたりするのを取り締まっているのである。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
自分と云う性根のない女を、思いきり虐(さい)なんでもらわなければならないような気がした。そのくせ、千穂子は与平を憎悪(ぞうお)する気持ちにはなれなかった。
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
またいかなる虐(しひたげ)わが身に及ぶも恐るゝなかれ、さきにもかゝる爭ひにのぞめることあれば我よくこれらの事を知る 六一—六三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
虐(ひし)ぎつけられた少年の、半(なか)ば、物狂わしくなった叫びとも聞かれたが、宗清は何か凡事(ただごと)でない感動に打たれたらしく、はっと答えぬばかり正直な態度で、すぐ鞍から跳び降りた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、彼は山口からアジヤ主義の講義で虐(いた)められるよりはこのオルガと音楽の話をしている方が愉快であった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
私の勇氣は、挫(くじ)けていつた。いつもの虐(しひ)たげられた氣持や懷疑心や孤獨な憂鬱(いううつ)が、崩(くづ)れゆく憤激の餘燼(よじん)に、濕(じ)め濕(じ)めと落ちかゝつた。みんなは、私が惡いと云ふ。多分、さうかも知れない。
何時(いつ)の日曜に散歩でも仕(し)て見ないかと有仰(おつしや)ツたことがあツて? 何時(いつ)だツて家(うち)にばかり引込むで他(ひと)を虐(いび)ツてばかりゐらツしやるのぢやありませんか。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
意志の実行——意志の実行のために虐(しへた)げられた人間の魂ではなかつたか。あらゆることを実行しても差支ない。世に罪悪と言ふものはない。悪と言ふものはない。唯自由があるばかりである。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
梁山泊ノ義士 宋江(ソウコウ)。 大名府(ダイミョウフ)、及ビ天下ノ人士ニ告グ 今ヤ、大宋国(タイソウコク)ニアリテハ上(カミ)ハ濫官(ランカン)、位(クライ)ニアリ 下(シモ)ハ汚吏権(オリケン)ヲ恣(ホシイママ)ニ、良民ヲ虐(シイタ)グ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
、禁厭(まじな)ってもらいなどするものか! 貧乏だと思って皆が、虐(い)じめるからこんなことになってしまったんじゃあないか!
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
虐(ぎゃく)し、こんど勅使の巡察に、その罪状の発覚を恐るるや、かえって勅使に暴行を加え、良民を煽動(せんどう)して乱をたくめど、その事、いちはやく官の知るところとなり、一族をつれて夜にまぎれ、無断官地を
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されば夫婦の間は、何時か不和(ふわ)になツて、父は虐(ぎやく)待する、母は反抗する、一家(け)の粉統(ごだ/\)は事(とし)と共に募(つの)るばかりであツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
昔と明治の御世とは、人間の生命(いのち)の値打(ねうち)がちがいますからね。……だけど、あたしゃあもう、生きるのに草臥(くたび)れちまった。こんな豚に虐(こ)き使われて
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瞬間! 今の瞬間! それがあの女の生の終極! もはやその荒波の中にもまれて虐(さひな)まれてそして呼吸も絶え果てゝ了つてゐる。その長い黒髪が海水の中に藻のやうに乱れてゐる。
波の音 (新字旧仮名) / 田山花袋、田山録弥(著)
丁度あの切支丹等が、彼等のマリア観音を壁に隠して、秘密に信仰をつづけたように、我々の虐(しい)たげられた詩人たちも、同じくその芸術を守るために、秘密な信仰をつづけねばならなかった。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
と慇懃(いんぎん)に辞退したが聞き入れない。昔から虐(しいたげ)られて来た露西亜(ロシア)に勝った日本だ。その国の人が乗っていると聞いて、はるばる他の車室から、かわる交(がわ)る顔を見にくる。すっかり英雄扱いである。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
考えても軽部が私に虐(つら)くあたってくる気持ちが手にとるように分って来て
機械 (新字新仮名) / 横光利一(著)
役人も現場の虐(むごた)らしさに、ひどくタジタジとなつて居ります。