“諍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あらそ44.8%
いさか37.9%
いさかい3.4%
あらが1.7%
あらそい1.7%
いさかひ1.7%
いひあらそ1.7%
さか1.7%
アラソ1.7%
モノアラソ1.7%
モノアラソヒ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のちにあらそいのたねになった娘のことで、私がひどく怒り、三人でなにかしていたのを放りだして、私だけさっさとそこをたち去りました
橋の下 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼の家の中では万事がうまくいっていなかった。彼はいつも家事女らといさかいばかりしていたし、雇い人らからはたえずだまされ盗まれていた。
私達はつまらないことで、よくいさかいをしたものだが、そのために互いの気持にこだわりが出来るようなことはなかった。ひとえに、おじさんの寛容な人柄のせいである。
おじさんの話 (新字新仮名) / 小山清(著)
二人は劣らじとあらがひし末、ただちに一番の勝負をいざいざと手薬煉てぐすね引きかくるを、遊佐は引分けて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
父は二宮流にのみやりゅうに与えんと欲し、子は米国風べいこくふうに富まんことを欲した。そのため関家のあらそいは、北海道中の評判となり、色々の風説をすら惹起ひきおこした。翁は其為に心身の精力を消磨しょうました。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
其をまたさも感服したやうな顏で見物してゐる猿の子孫に相違が無いと思はれる人や、それから犬の喧嘩や人のいさかひ
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
夜更けるまで、姪夫婦といひあらそつた。姪は養育費を一円五十銭よこせと、云つた。仙吉はアホコケと云つた。一ヶ月三十銭にしても、一円もかかるまい、とどなつた。そして脂臭い一円札を投げた。
反逆の呂律 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
家へ入ろうとしたら、ふだん仲のいい姉妹きょうだい声高こわだかさかいをしていられましたから、福次郎さんも躊躇ちゅうちょして、しばらくそこに、立っていたのだそうです。お姉さんの声は、聞こえませんでしたけれど
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
後々までも、「物アラソひ」なる語が、さうした言語詞章の上に輸贏を争うたあとを示してゐる。宮門に於いて人を改める時に、かうした呪詞のかけあひのあつたことが思はれる。
「歌を以て判ずる歌」と序にあるのは、額田王以外の人々も、歌を以て主張したものと見る方がよいのである。「春秋モノアラソひ」の極めて古い形なのであつた。
恐らく、「歌合せ」は、巻一の天智天皇の時代、中臣鎌足が審判になつて、春秋のモノアラソヒをなしたと伝へられてゐるのが、最初であると思ふ。
万葉集の解題 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)