“いさかひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
喧嘩50.0%
口争10.0%
口論10.0%
言逆10.0%
10.0%
鬪諍10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
姉妹の喧嘩いさかひはまゝある事ぢや。珍らしうもあるまい。時に今日ももう暮るゝぞ。秋のゆふ風が身にしみるわ。そち達は奧へ行つて夕飯の支度、燈火あかりの用意でもせい。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
長年の間口争いさかひを仕続けて、やつと皺くちやなこの頃になつて、どうかかうか平和らしいものを初めて味はつたやうな溜息であつた。
茶話:12 初出未詳 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
爺さんは口論いさかひに言ひ勝つたもののやうに、白い歯を見せてせせら笑ひをしました。通りかかつた近所の悪戯いたづらが三、四人立ち停つて、二人の顔を見較べてゐました。
黒猫 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
宗助そうすけ御米およねとはなか夫婦ふうふちがひなかつた。一所いつしよになつてから今日こんにちまでねんほどなが月日つきひをまだ半日はんにち氣不味きまづくらしたことはなかつた。言逆いさかひかほあからめつたためしなほなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其をまたさも感服したやうな顏で見物してゐる猿の子孫に相違が無いと思はれる人や、それから犬の喧嘩や人のいさかひ
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
人聲俄かに聞えて平常たゞならぬに、ねふれる樣なりし美人はふと耳かたぶけぬ、出火か、鬪諍いさかひか、よもや老夫婦がと微笑ほゝゑみはもらせど、いぶかしき思ひに襟を正して猶聞とらんと耳をすませば
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)