“けんか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
喧嘩93.5%
蒹葭1.3%
権家1.0%
争闘0.5%
縣下0.5%
諍闘0.3%
剣下0.3%
剣渦0.3%
剣禍0.3%
剣華0.3%
喧花0.3%
妍華0.3%
懸河0.3%
暄曄0.3%
繭価0.3%
肩架0.3%
芫花0.3%
顕花0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佐吉さんは、そんなに見掛けは頑丈でありませんが、それでも喧嘩けんかが強いのでしょうか、みんな佐吉さんに心服しているようでした。
老ハイデルベルヒ (新字新仮名) / 太宰治(著)
木村巽斎きむらそんさい、通称は太吉、堂を蒹葭けんかと呼んだ大阪町人は実にこの山水の素人作者である。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
世間には立身栄達りっしんえいたつの道を求めるために富豪の養子になったり権家けんか婿むこになったりするものがいくらもある。現在世におもんぜられている知名の人たちの中にもこの例は珍しくない。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
広巳はすぐ引返そうとしたが、醜い争闘けんかを引き別けてもらったばかりの女に逢うのはきまりも悪ければ、争闘を見ていた者がまだそのあたりにうようよしているようで足が進まなかった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
けれどもぼく故郷くに二萬石にまんごく大名だいみやう城下じやうかで、縣下けんかではほとんどふにらぬちひさまちこと海陸かいりくとも交通かうつう便べんもつとかいますから、純然じゆんぜんたる片田舍かたゐなか
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
海晏寺の前のえのきの傍で擦れちがい、八幡祠の諍闘けんかの際に見た女にそっくりであった。女は広巳と眼をあわすなりにっとした。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「若旦那、思い出せないですか、何時いつも若旦那と遊んでいらした方ですよ、忘れたのですか、ここの八幡さまの中で、若旦那が諍闘けんかしてた時に、めてくだされた方ですよ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
剣下けんかを交わしてしまったのみか、すそを払って、その隙に、一方の低地へ駈け下りた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほとんど挨拶がわりに左膳から剣渦けんか一伍一什いちぶしじゅうを聞かされて、栄三郎方および火事装束と刃を合わす期をたのしみに待っていた月輪門下の同志は
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
剣は、殺人をもって大願とせず、剣はまた、剣をぶるがために、剣禍けんかにも会う
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
愛国あいこくの丹心たんしん万死ばんしかろし 剣華けんか弾雨だんうまたなんぞおどろかん
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
孔子答えていわく、決して苛酷ならず、灰を衢に棄つれば風吹くごとに衣服を汚し、人々不快をいだく、自然に喧花けんか多く大事を惹き起こさん、故に一人を刑して万人慎むの法なり、と。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
妙光女魂既にうせたりといえども、容儀儼然活けるがごとく、妍華けんか平生に異ならざるをあいいいて曰く、この女かくまで美艶にして、遠くもとむるも等類なしと、各々染心ぜんしんを生じ
ぞ頼みける然るに光陰くわういん懸河けんかの流るゝ如く早八ヶ年を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
からだつきはせて小さかったが、知恵のまわるのとすばしっこいことは無敵で、たいてい年上の子と暄曄けんかをしても負けたことがない、——いつも着物はかぎ裂き、手足は泥んこ
桑の木物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
安宅先生も、あゝ見えて、あれで、俸給の一部をき、この繭価けんか不振時代の養蚕ようさんを副業とする郷里の家の弟妹の学費のため月々仕送っている身分である。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
のみならず、やがてそのあとからは、李逵が退治した虎四匹を、縄からげにして、村人三十人ほどが、神輿みこしのように肩架けんかかつ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それらの食物や水の中に、愛慾をそそる××質が——麝香じゃこうとか、芫花けんかとか、禹余糧うよりょうとか陽起石ようきせきとか、狗背くはいとか、馬兜鈴ばとれいとか、漏蘆ろろなどというそういう××質が、雑ぜられてあるということを。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それから多細胞たさいぼう羊歯しだ顕花けんか植物とう連続しているからもし動物がかあいそうなら生物みんな可哀かあいそうになれ、顕花植物なども食べても切ってもいかんというのですが
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)