諍闘けんか)” の例文
海晏寺の前のえのきの傍で擦れちがい、八幡祠の諍闘けんかの際に見た女にそっくりであった。女は広巳と眼をあわすなりにっとした。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「若旦那、思い出せないですか、何時いつも若旦那と遊んでいらした方ですよ、忘れたのですか、ここの八幡さまの中で、若旦那が諍闘けんかしてた時に、めてくだされた方ですよ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
休んでると、へんな奴が二人来て、おいら盗人ぬすっと午睡ひるねしてると云うから、なぐりつけて諍闘けんかになったところへ、その女が来て仲裁してくれたのだ、それで俺は八幡様を出て来たものの
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)