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蒹葭
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けんか
ふりがな文庫
“
蒹葭
(
けんか
)” の例文
およそ水村の風光初夏の時節に至って最佳なる
所以
(
ゆえん
)
のものは、依々たる楊柳と
萋々
(
せいせい
)
たる
蒹葭
(
けんか
)
とのあるがためであろう。
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
木村巽斎
(
きむらそんさい
)
、通称は太吉、堂を
蒹葭
(
けんか
)
と呼んだ大阪町人は実にこの山水の素人作者である。
僻見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
砂町は深川のはずれのさびしい町と同じく、わたくしが好んで
蒹葭
(
けんか
)
の間に寂寞を求めに行くところである。折があったら砂町の記をつくりたいと思っている。
深川の散歩
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
蒹葭
(
けんか
)
の唯果も知らず生茂った間から白帆と鴎の飛ぶのを見た景色ばかりである。
元八まん
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
晴れた日に砂町の岸から向を望むと、
蒹葭
(
けんか
)
茫々たる
浮洲
(
うきす
)
が、
鰐
(
わに
)
の尾のように長く水の上に横たわり、それを隔ててなお遥に、
一列
(
いちれつ
)
の老松が、いずれもその幹と茂りとを同じように一方に傾けている。
放水路
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
蒹葭深処月明多
蒹葭
(
けんか
)
深
(
ふか
)
き
処
(
ところ
)
月明らかなること
多
(
すぐ
)
れり〕
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“蒹葭”の意味
《名詞》
水辺に生えるイネ科の多年草である「葭」の別称。
(出典:Wiktionary)
蒹
漢検1級
部首:⾋
13画
葭
漢検1級
部首:⾋
12画
“蒹葭”で始まる語句
蒹葭堂