“故郷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふるさと39.1%
くに24.3%
こきょう23.8%
こきやう6.5%
おくに1.8%
いなか1.5%
こきよう1.0%
うち0.5%
さと0.5%
いへ0.3%
くこ0.3%
こけう0.3%
こけふ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いまの巡礼じゅんれいは、やまえ、かわわたり、野原のはらぎ、村々むらむらをいって、自分じぶん故郷ふるさとくには、いつのころであろうとかんがえられたのです。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それだのに故郷くにの母から大学を出たのだから、月々十円でもいゝから送金せよと云つて来た。僕は尚更憂鬱にならざるを得なかつた。
世に出る前後 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
そこで、故郷こきょう伝説でんせつをもとにして「イェスタ・ベルリング物語」という作品を書いて出してみますと、それがみごとに当選しました。
卯平うへい久振ひさしぶり故郷こきやうとしむかへた。彼等かれらいへ門松かどまつたゞみじかまつえだたけえだとをちひさなくひしばけて垣根かきね入口いりくちてたのみである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「いいえね、つい一昨日おとといあたり故郷おくにの静岡からおいでなすったんですとさ。私がお取次に出たら河野の母でございます、とおっしゃったわ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『手紙を書いていたから、飛脚屋へ行って、故郷いなかへ金を送りに行ったのかもしれない。そんな用事だけは、自分でそっと出かけるから』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『いや/\、わたくしかへつて、天外てんぐわい※里ばんり此樣こんしまから、何時いつまでも、君等きみら故郷こきようそらのぞませることなさけなくかんずるのです。』と嘆息たんそくしつゝ
「これでは冬籠りも出來ないね。早く東京へ歸ることにしようか。」と、榮一は故郷うちの樣子を見たゞけで滿足して、再び都の小さい借家へ歸らうとした。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
彼は母山吹の故郷さと! の血統窩人の部落! 信州八ヶ嶽笹の平へ、夢遊病者のそれのように、フラフラと歩いて行ったのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
心は疲れ、魂も衰へて、我と我身にした配流の幾年間かの後にあなたは故郷いへに歸つて來る。そしてある新らしい知己を得る——どうして、またどこでかは、問題ではない。
「なにをいうぞ。お甲などという女を討ったところで、故郷くこの衆が、めもせぬし、家名の面目も立ちはせぬがな」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
美登利みどりなかをとこといふものさつてもこわからずおそろしからず、女郎ぢよらうといふものさのみいやしきつとめともおもはねば、ぎし故郷こけふ出立しゆつたつ當時たうじないてあねをばおくりしことゆめのやうにおもはれて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)