“故郷”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ふるさと41.8%
くに25.4%
こきょう21.3%
こきやう4.4%
いなか1.8%
おくに1.8%
こきよう1.2%
うち0.6%
さと0.6%
いへ0.3%
(他:3)0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“故郷”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)9.8%
文学 > 日本文学 > 戯曲5.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語5.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ゆきは、故郷ふるさとからわたしむかひたものを、……かへちつとしに
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
故郷ふるさと消息おとずれ聞くよしもなし、東京なる大原満は小山夫婦と中川兄妹の尽力によりて近頃新なる家に引移れり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
自分はいったい、故郷くにを出てから、なんのために刀をふるってきたのか——わからない。それが、わからなくなってしまった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
また故郷くにの者誰もどうして正作が暮らしているか知らない、父母すら知らない、ただ何人も疑がわないことが一つあった。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「どうせ、故郷こきょうにいることができないなら、いっそのことうみへいって船乗ふなのりになりたいとおもいます。」
海へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、どうかして、このおんなを、故郷こきょうかえしてやる工夫くふうはないものか、とおっしゃられました。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おなじとしふゆのはじめ、しも緋葉もみぢみちを、さわやか故郷こきやうから引返ひつかへして
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ところ自分じぶんの二十のときであつた、ひさしぶりで故郷こきやう村落そんらくかへつた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『手紙を書いていたから、飛脚屋へ行って、故郷いなかへ金を送りに行ったのかもしれない。そんな用事だけは、自分でそっと出かけるから』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何国どこか知らないが故郷いなかには息子の月の給料を待っている老父母があるかもしれない。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いいえね、つい一昨日おとといあたり故郷おくにの静岡からおいでなすったんですとさ。私がお取次に出たら河野の母でございます、とおっしゃったわ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ええ。故郷おくに発程たつまでに、もう一遍御一緒に来て下さいよ、後生ですから」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
給仕女きゆうじをんな故郷こきよう風俗ふうぞくをしておきやく給仕きゆうじるといふふうになつてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
見すてて我れ今故郷こきようにかへらば残れる身の心ぼそさいかばかりなるべき、あはれなるは継子の身分にして、俯甲斐ふがひないものは養子の我れと
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「これでは冬籠りも出來ないね。早く東京へ歸ることにしようか。」と、榮一は故郷うちの樣子を見たゞけで滿足して、再び都の小さい借家へ歸らうとした。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
「私は、今、漢江の神女となっていますから、故郷うちへ帰ることはすくないのですが、鴉の使いが二度も来て、あなたの御心切を知らしてくれましたから、お眼にかかりに来たのです」
竹青 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼は母山吹の故郷さと! の血統窩人の部落! 信州八ヶ嶽笹の平へ、夢遊病者のそれのように、フラフラと歩いて行ったのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
——まず都へ上って年を経て、やがて国許くにもとへ立帰る侍が、大路の棟の鬼瓦をながめて、故郷さとに残いて、月日を過ごいた、女房の顔を思出おもいいで、たえて久しい可懐なつかしさに
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あなたは他郷に安息を求め、また享樂——知性を曇らせ感情をしぼますやうな無情むじやうな官能的な——享樂のうちに幸福を求めて此處彼處と流浪します。心は疲れ、魂も衰へて、我と我身にした配流の幾年間かの後にあなたは故郷いへに歸つて來る。そしてある新らしい知己を得る——どうして、またどこでかは、問題ではない。
「なにをいうぞ。お甲などという女を討ったところで、故郷くこの衆が、めもせぬし、家名の面目も立ちはせぬがな」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぎし故郷こけふ出立しゆつたつ當時たうじないてあねをばおくりしことゆめのやうにおもはれて、今日此頃けふこのごろ全盛ぜんせい父母ふぼへの孝養こうよううらやましく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)