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ふりがな文庫
“
故郷
(
こきょう
)” の例文
そこで、
故郷
(
こきょう
)
の
伝説
(
でんせつ
)
をもとにして「イェスタ・ベルリング物語」という作品を書いて出してみますと、それがみごとに当選しました。
「ニールスのふしぎな旅 上」まえがき
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
斯
(
か
)
くして、三日の
後
(
のち
)
に重蔵は死んだ。人間の運命は不思議なもので、彼は
故郷
(
こきょう
)
の土と
化
(
な
)
るべく、偶然にここへ帰って来たのであった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ちょうどそのころ、
兵免令
(
へいめんれい
)
が
降
(
くだ
)
ったので、
彼
(
かれ
)
はひとまず
知
(
し
)
り
合
(
あ
)
いの
家
(
いえ
)
におちついて、いよいよ
故郷
(
こきょう
)
へ
帰
(
かえ
)
ることにしたのであります。
村へ帰った傷兵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
わたくしは、もう
人形使
(
にんぎょうつかい
)
をやめまして、
故郷
(
こきょう
)
に
帰
(
かえ
)
るつもりでおりました。この人形も、もう
人様
(
ひとさま
)
にお目にかけないつもりでおりました。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
△「
私
(
わし
)
はその大和路の者であるが、少し仔細あって、えゝ長らく江戸表にいたが、
故郷
(
こきょう
)
忘
(
ぼう
)
じ
難
(
がた
)
く又帰りたくなって帰って来ました」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
予は第二の
故郷
(
こきょう
)
として徳島に住する事殆んど四十年、為に数十回鳴門を渡りたるも、暴風激浪の為めに苦しめらるる事を記憶せざるなり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
成経 わしはただ一度だけ
故郷
(
こきょう
)
の土が
踏
(
ふ
)
みたい。ただ一度だけ家族と会えばまたこの島に帰ってもよい。だがただ一度だけは。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
それで、まず
故郷
(
こきょう
)
のヴェルムランドのことから書いてみようと思いました。あそこにはおもしろい話や
行事
(
ぎょうじ
)
がたくさんある。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
もって、ひろい
世
(
よ
)
のなかへでていくがいい。だが、
生
(
う
)
まれ
故郷
(
こきょう
)
やおやじの名まえを口にするんじゃないぞ。わしがはじをかくことになるからな。
こわいことを知りたくて旅にでかけた男の話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
惜
(
おし
)
い事をした。その巾着は、私が東京へ行っていた時分に、
故郷
(
こきょう
)
の家が
近火
(
きんか
)
に焼けた時、その百人一首も一所に焼けたよ。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あなたも、いずれお死ににならなければならないでしょうし、わたしも
故郷
(
こきょう
)
忘
(
ぼう
)
じがたしで、このへんをもういちど見ておきたいとおもったのです。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
立ちあがって七八町の先に、再びわが生まれ
故郷
(
こきょう
)
を眺めなおした時には、もう以前のような心の痛みはなかった。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「ゆけ、おまえたちはおまえたちの
巣
(
す
)
に帰って自由に幸福であれ。ぼくらもまたいまぼくらの
故郷
(
こきょう
)
へ帰るのだ」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
そのご親切はありがとうございますが、私はこれから一
生涯
(
しょうがい
)
、
故郷
(
こきょう
)
をはなれない決心をいたしました。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
元来温井検校の家は
日蓮宗
(
にちれんしゅう
)
であって検校を除く温井一家の墓は検校の
故郷
(
こきょう
)
江州
(
ごうしゅう
)
日野町の某寺にある。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私は永く
故郷
(
こきょう
)
を離れる決心をその時に起したのです。叔父の顔を見まいと心のうちで誓ったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先頃ふと
大病
(
たいびょう
)
に
罹
(
かか
)
った者があると聞いて、
故郷
(
こきょう
)
に帰る途中立寄ってみるとわずかに一人に会った。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
儂は何処までも自己本位の生活をした。ある学生は、あなたの
故郷
(
こきょう
)
は
此処
(
ここ
)
では無い、大きな
樹木
(
じゅもく
)
を植えたり家を建てたりはよくない、と切に忠告した。儂は顧みなかった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
怨
(
うら
)
みこそあれ、もう奉公する気のない浜松城をすてて、一日もはやく、
故郷
(
こきょう
)
の甲府にかえりたいと思っているまに、
武田家
(
たけだけ
)
は、
織田
(
おだ
)
徳川
(
とくがわ
)
のためにほろぼされ、いるも敵地
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんだあ」とか、「とろくせえ」とか、「こいつがれ」などと、春吉君がそのことばあるがため、じぶんの
故郷
(
こきょう
)
をきらっているような、げびた方言を、平気で使われるのである。
屁
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
『しかし
君
(
きみ
)
、
私
(
わたし
)
は
何
(
なに
)
もワルシャワへ
行
(
ゆ
)
く
必要
(
ひつよう
)
は
無
(
な
)
いのだから、
君
(
きみ
)
一人
(
ひとり
)
で
行
(
ゆ
)
き
給
(
たま
)
え、そうして
私
(
わたし
)
をどうぞ
先
(
さき
)
に
故郷
(
こきょう
)
に
帰
(
かえ
)
して
下
(
くだ
)
さい。』アンドレイ、エヒミチは
哀願
(
あいがん
)
するように
云
(
い
)
うた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この土地では
夜
(
よる
)
も戸を締めない。
乞食
(
こじき
)
もいなければ、盗賊もいないからである。斜面をなしている
海辺
(
かいへん
)
の地の上に、神の平和のようなものが広がっている。何もかも
故郷
(
こきょう
)
のドイツなどとは違う。
冬の王
(新字新仮名)
/
ハンス・ランド
(著)
人屋
(
ひとや
)
の軒から、
故郷
(
こきょう
)
を慕って
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
自分
(
じぶん
)
たちの
生
(
う
)
まれた、
故郷
(
こきょう
)
の
深林
(
しんりん
)
をふたたびかすめて
飛
(
と
)
び、さらに、
明
(
あ
)
くる
日
(
ひ
)
は、
鈍
(
にぶ
)
い
砂漠
(
さばく
)
を
越
(
こ
)
して、
遠
(
とお
)
くまでいったのでありました。
北海の波にさらわれた蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
康頼 しかしあれには二首の歌が
彫
(
ほ
)
りつけてあります。
故郷
(
こきょう
)
をしたう歌が。心あるものはまさか
焚
(
た
)
いてしまいはしますまい。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
そのころ、
故郷
(
こきょう
)
の
伝説
(
でんせつ
)
をもとにして「イェスタ・ベルリング物語」という作品を書き、これによってラーゲルレーヴさんは
一躍
(
いちやく
)
有名になりました。
「ニールスのふしぎな旅 下」まえがき
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
コスモとコスマとは、人形を
大事
(
だいじ
)
にかかえて、
故郷
(
こきょう
)
へ
帰
(
かえ
)
っていきました。たくさんもらったお金を、半分ばかり、ターコール
僧正
(
そうじょう
)
へおくりました。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
きょねんの夏、ニールスは、うまれ
故郷
(
こきょう
)
に近いヨルドベリヤの近くの、ある
農家
(
のうか
)
で、ガチョウ
番
(
ばん
)
にやとわれていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
種々
(
いろ/\
)
考えました処が、江戸には親類もありますから、
何卒
(
どうぞ
)
江戸へ参り
度
(
た
)
いと思いまして、
故郷
(
こきょう
)
が懐かしいまゝ無理に離縁を取って出ましたが、手振り
編笠
(
あみがさ
)
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
たとえまた、兄さんの百年の後においても、この美しい
景色
(
けしき
)
をもった
故郷
(
こきょう
)
をどうして見すてることができましょう。
翠緑
(
すいりょく
)
の
樹
(
き
)
につつまれた山、
紺碧
(
こんぺき
)
の水をたたえた谷。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
ぼくの
故郷
(
こきょう
)
のじまんと
誤解
(
ごかい
)
してくれたもうな、五月五日は日本においては少年の最大祝日なのだ。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
明治の初年、薩摩近い
故郷
(
こきょう
)
から熊本に引出で、一時
寄寓
(
きぐう
)
して居た親戚の家から父が買った大きな草葺のあばら家に移った時、八歳の兄は「破れ家でも
吾家
(
わがいえ
)
が好い」と喜んで踊ったそうである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
バナナの
皮
(
かわ
)
は、
若
(
わか
)
い
男
(
おとこ
)
と
女
(
おんな
)
とが、
楽
(
たの
)
しそうに
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
い、
笑
(
わら
)
っている
声
(
こえ
)
をききますと、
急
(
きゅう
)
に
産
(
う
)
まれた、
南
(
みなみ
)
の
故郷
(
こきょう
)
が
恋
(
こい
)
しくなりました。
河水の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ターコール
僧正
(
そうじょう
)
がお
祈
(
いの
)
りをしてるとき、コスモとコスマとは、
故郷
(
こきょう
)
への
旅
(
たび
)
をいそいでいました。コスモはいいました。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
都をたつ時あなたがたにことづかった物があった。
故郷
(
こきょう
)
からの迎えの使いを
拒絶
(
きょぜつ
)
するほどのあなたがたに、たいした用はないかもしれんが。(家来に)かの品を。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
故郷
(
こきょう
)
にいるのがいやになって、みんな遠い
外国
(
がいこく
)
へいってしまいました。おかあさんは、子どもたちになにひとつ、手だすけをしてもらったことはありませんでした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
按摩になってと思いまして入ったんでございますが、
漸々
(
だん/\
)
銭が無くなっちまいましたから、江戸へ帰っても借金はあり、と云って
故郷
(
こきょう
)
忘
(
ぼう
)
じ
難
(
がた
)
く、何うかして帰りてえが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
紅
(
べに
)
すずめは、だまって、しばらく
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れていましたが、やがて、
南
(
みなみ
)
の
故郷
(
こきょう
)
へは
帰
(
かえ
)
らずに、
北
(
きた
)
をさして
飛
(
と
)
び
去
(
さ
)
ってしまいました。
紅すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
母
(
っか
)
さまは芝居でも御見物なすってお帰りになる事だろうから、中々一ト月や二タ月は
故郷
(
こきょう
)
忘
(
ぼう
)
じ
難
(
がた
)
しで、あっちこっちをお廻りなさるから、急にはお帰りになるまいと存じましたに
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おじいさんは、
故郷
(
こきょう
)
にいる
孫
(
まご
)
の
姿
(
すがた
)
を
目
(
め
)
に
描
(
えが
)
きました。すると、いつのまにか、その
目
(
め
)
には
熱
(
あつ
)
い
涙
(
なみだ
)
が、いっぱいたまっていました。
銅像と老人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
長く居る気はありません、貴方も
真
(
ほん
)
の当座の腰掛でいらっしゃるが口に出せんでも心中に
在
(
あ
)
るね、
内祝言
(
ないしゅうげん
)
は済んでも別に貴方の
披露
(
ひろめ
)
もなし披露をなさる訳もない、貴方も
故郷
(
こきょう
)
懐しゅうございましょう
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
子供
(
こども
)
は、たくさんの
土産物
(
みやげもの
)
と、お
金
(
かね
)
とを
持
(
も
)
って、はるばると
故郷
(
こきょう
)
に
帰
(
かえ
)
ってきたのであります。そして、
村
(
むら
)
の
人々
(
ひとびと
)
に
厚
(
あつ
)
くお
礼
(
れい
)
を
申
(
もう
)
しました。
牛女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
北
(
きた
)
の
故郷
(
こきょう
)
を
出
(
で
)
るときに、二
羽
(
わ
)
の
小鳥
(
ことり
)
は、どこへいっても、けっして、ふたりは、はなればなれにならず、たがいに
助
(
たす
)
け
合
(
あ
)
おうと
誓
(
ちか
)
いました。
ふるさと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それにつけて、三
匹
(
びき
)
のありは、
父母
(
ふぼ
)
のすんでいる
故郷
(
こきょう
)
を、こいしく
思
(
おも
)
ったのです。けれど、いくら
思
(
おも
)
っても、
帰
(
かえ
)
ることができませんでした。
三匹のあり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから、いろいろのことがありましたけれど、とにかく、ついに
二人
(
ふたり
)
は、
無事
(
ぶじ
)
に
故郷
(
こきょう
)
の
島
(
しま
)
に
着
(
つ
)
くことができたのであります。
幸福に暮らした二人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼女
(
かのじょ
)
は、
吹雪
(
ふぶき
)
のうちにうずもれている、
故郷
(
こきょう
)
のさびしい
村
(
むら
)
を
目
(
め
)
に
描
(
えが
)
いて、そこに
住
(
す
)
む
哀
(
あわ
)
れな
母
(
はは
)
や、
姉弟
(
きょうだい
)
を
思
(
おも
)
ったのであります。
二番めの娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
姫
(
ひめ
)
さまは、その
道
(
みち
)
は、
自分
(
じぶん
)
のきた
時分
(
じぶん
)
に
通
(
とお
)
った
道
(
みち
)
でないので、ほんとうに、
故郷
(
こきょう
)
に
帰
(
かえ
)
ることができるだろうかと、
不安
(
ふあん
)
に
思
(
おも
)
われましたが
お姫さまと乞食の女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「こっちへくるときに、
友
(
とも
)
だちにやってしまった……。なにしろ、十五の
暮
(
く
)
れに
出
(
で
)
てきたんだものな。あれから十
年
(
ねん
)
も
故郷
(
こきょう
)
へ
帰
(
かえ
)
らないのだ。」
こま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それで、
故郷
(
こきょう
)
に
帰
(
かえ
)
る
旅費
(
りょひ
)
にでもなればいいということを——
心
(
こころ
)
のうちでは、そんなになるとは
思
(
おも
)
わなかったけれど——いったのでありました。
南方物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、すこしでもたくさん、
金
(
かね
)
をためて、
故郷
(
こきょう
)
に
帰
(
かえ
)
って、
家
(
うち
)
の
人々
(
ひとびと
)
を
喜
(
よろこ
)
ばし、
安楽
(
あんらく
)
に
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
りたいと
思
(
おも
)
ったのであります。
砂漠の町とサフラン酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
故
常用漢字
小5
部首:⽁
9画
郷
常用漢字
小6
部首:⾢
11画
“故郷”で始まる語句
故郷元
故郷人
故郷心
故郷薄
故郷表
故郷許
故郷飾錦伊達織