“こきょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
故郷94.1%
古鏡2.0%
孤笻1.0%
古峡1.0%
古郷1.0%
狐梟1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くして、三日ののちに重蔵は死んだ。人間の運命は不思議なもので、彼は故郷こきょうの土とるべく、偶然にここへ帰って来たのであった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それで全く心残りなくなったものだろう、その黒髪と古鏡こきょうとはすなわちこれだ
雪の透く袖 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
木部孤笻こきょうと別れた時でも、葉子には格別これという謀略があったわけではなく、ただその時々にわがままを振る舞ったに過ぎなかったのだけれども
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
すっかり少女のような無邪気な素直すなおな心になってしまって、孤笻こきょうひざに身も魂も投げかけながら、涙とともにささやかれる孤笻の耳うちのように震えた細い言葉を
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
変態心理の中村古峡こきょう君なども、かつて奥州七戸しちのへ辺の実例について調査をせられたことがあった。神に隠されるような子供には、何かその前から他の児童と、ややちがった気質があるか否か。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
わずか収入しゅうにゅうはは給養きゅうようにもきょうせねばならず、かれついにこの生活せいかつにはれず、断然だんぜん大学だいがくって、古郷こきょうかえった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
奥州筋近来の凶作にこの寺も大破に及び、住持となりても食物乏しければ僧も不住すまず明寺あきでらとなり、本尊だに何方いずかたへ取納めしにや寺には見えず、庭は草深く、誠に狐梟こきょうのすみかというもあまりあり。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)