“おくに”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
故郷30.0%
御国15.0%
阿国15.0%
御郷里10.0%
九州5.0%
安南5.0%
於国5.0%
日本5.0%
朝鮮5.0%
貴郷5.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いいえね、つい一昨日おとといあたり故郷おくにの静岡からおいでなすったんですとさ。私がお取次に出たら河野の母でございます、とおっしゃったわ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ええ。故郷おくに発程たつまでに、もう一遍御一緒に来て下さいよ、後生ですから」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
そこで記者は、『御国おくにのいまの天皇の御名前は何と仰せられますか』と問うた。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「そうだ。みんな御国おくにのために捨てる命だ。」
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そうだ、それから考えてみると、出雲の阿国おくにがしゃなりしゃなりと静かに乗込んで、戦国大名によだれを流させたのはこのところだ。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
出雲の阿国おくによりも、高級な女性として敬愛を持っていたし、大坂城の淀君よりも、才色があって親しみもあるという点で、ずっと有名だった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これで御郷里おくにの方へでも連れていらしッたら、また壮健じょうぶに成るかも知れません」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「叔母さん、御郷里おくにへ御帰り?……御取込のところですネ」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「それがないので困っているんですよ。警視庁の知り合いにも電話で頼んでいますし、(中略)方々からの質問でホントにウンザリしているのですよ。そうしてあなたはやはり九州の……まあ、こんな処まで……よくおわかりになりましたのね……まあ、九州おくにの方はいい処だそうですね……まあ、およろしいじゃありませんか……今紅茶を……」
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
お望みならご伝授申しますヨ。なにしろ私は安南おくにの王様にいろいろお世話になった。また、この方法も東洋で伝授されたものです。つまり、東洋に対する報恩の一端として、いさぎよく御伝授しましょう。無料ということが、両殿下の御気性として、御意にかないませんなら、金銭のお礼も申し受けましょう。
「これからこよいの貴賓まろうどのために、近ごろ都はいうもおろかひなにまで聞え渡った於国歌舞伎おくにかぶきをごらんにいれまする。そもそもこの於国おくに歌舞伎となん申しはべる歌舞の由来は……」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
評判の於国おくにという主役があらわれた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されば公園のベンチでは見も知らぬ夫人に「近ごろ、お作の方はいかがですか」とか、突堤の鼻では老紳士に「沼で姫鱒ひめますを釣りますには鋼鉄製の英国ふうの釣竿より、どうも日本おくにの胡麻竹の釣竿の方が……」とか思いもかけぬ訊問の奇襲にあうによって、コン吉の市中の散歩は、毎分毎秒、さながら薄氷を踏む思い。
あすこのマダムはやっぱり朝鮮おくにの人で、ズット前から心安いのよ。ロッキー・レコードの支配人の第二号なんですからね。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
でも……トテモ息苦しいのよ。だって同性愛なんて日本にだけしかない事でしょう。朝鮮おくにではソンナ話、聞いたこともないんですから、ドウしたらいいのかわかんないんですもの。呉羽さんと同じ位に妾が呉羽さんを好きにならない限り、どうする事も出来ないじゃないの。女蛇に魅入られたようなタマラナイ気持になるだけよ。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「平田さん」と、小万は平田の傍へ寄り、「本統にお名残り惜しゅうござんすことね。いつまたお目にかかれるでしょうねえ。御道中をお気をおつけなさいよ。貴郷おくににお着きなすッたら、ちょいと知らせて下さいよ。ね、よござんすか。こんなことになろうとはね」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)