“おくに”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
故郷28.6%
阿国14.3%
御国14.3%
御郷里9.5%
於国4.8%
朝鮮4.8%
九州4.8%
安南4.8%
御國4.8%
日本4.8%
貴郷4.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ええ。故郷おくに発程たつまでに、もう一遍御一緒に来て下さいよ、後生ですから」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「ほんとに信州という国は、どこへ行ってもよい景色、眩惑めまぐるしいほどでございます。これから参るあなたの故郷おくにの木曽福島と申すところも、さぞよい景色でございましょう」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
紅絹もみや、西陣や、桃山染や、お甲のにおいが陽炎かげろうのように立つ。——今頃は河原の阿国おくに踊りの小屋で、藤次と並んで見ているだろうと、又八はその姿態しなや肌の白さを眼にえがく。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……お母さん、あれ、阿国おくに歌舞伎の囃子はやしでしょう。……鐘の音が聞えてくる、笛の音も」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
F女史は斯く事細かに語り来って「私も斯様に米国から御国おくにに伝道に参って居りますが、馨子さんの働きを見れば、其働きの間は実にしばらくの間でございましたが、私は恥入る様に思います。馨子さんは実にやさしい方で、其上男も及ばぬ凜々りりしいたましいを持ってお出でした。春の初に咲く梅の花の様な方でした」と云うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「叔母さん、御郷里おくにへ御帰り?……御取込のところですネ」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
評判の於国おくにという主役があらわれた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
でも……トテモ息苦しいのよ。だって同性愛なんて日本にだけしかない事でしょう。朝鮮おくにではソンナ話、聞いたこともないんですから、ドウしたらいいのかわかんないんですもの。呉羽さんと同じ位に妾が呉羽さんを好きにならない限り、どうする事も出来ないじゃないの。女蛇に魅入られたようなタマラナイ気持になるだけよ。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「それがないので困っているんですよ。警視庁の知り合いにも電話で頼んでいますし、(中略)方々からの質問でホントにウンザリしているのですよ。そうしてあなたはやはり九州の……まあ、こんな処まで……よくおわかりになりましたのね……まあ、九州おくにの方はいい処だそうですね……まあ、およろしいじゃありませんか……今紅茶を……」
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
お望みならご伝授申しますヨ。なにしろ私は安南おくにの王様にいろいろお世話になった。また、この方法も東洋で伝授されたものです。つまり、東洋に対する報恩の一端として、いさぎよく御伝授しましょう。無料ということが、両殿下の御気性として、御意にかないませんなら、金銭のお礼も申し受けましょう。
今迄いままで御國おくにはうに」といたら、御米およね返事へんじをするまへ安井やすゐが、
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
されば公園のベンチでは見も知らぬ夫人に「近ごろ、お作の方はいかがですか」とか、突堤の鼻では老紳士に「沼で姫鱒ひめますを釣りますには鋼鉄製の英国ふうの釣竿より、どうも日本おくにの胡麻竹の釣竿の方が……」とか思いもかけぬ訊問の奇襲にあうによって、コン吉の市中の散歩は、毎分毎秒、さながら薄氷を踏む思い。
「平田さん」と、小万は平田の傍へ寄り、「本統にお名残り惜しゅうござんすことね。いつまたお目にかかれるでしょうねえ。御道中をお気をおつけなさいよ。貴郷おくににお着きなすッたら、ちょいと知らせて下さいよ。ね、よござんすか。こんなことになろうとはね」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)