“鄙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひな85.5%
いや5.4%
いやし3.0%
さも2.4%
ヒナ1.2%
いなか0.6%
さもし0.6%
0.6%
むら0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なんにしろ明治四十一年の事とて、その頃は、当今の接庇雑踏せっぴざっとうとは異なり、入谷田圃いりやたんぼにも、何処かものひなびた土堤のおもかげが残っていた。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
史に記す。道衍ばんに道余録を著し、すこぶる先儒をそしる、識者これをいやしむ。の故郷の長州ちょうしゅうに至るや、同産の姉をこうす、姉れず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼は自ら手をくだして、この身を殺すさへいさぎよからずとまでにおのれいやしむなるか、余につらしと宮はくちびるみぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
併し町人と違つて其処が大名育ちだからあなが金子かねで張らうといふさもしい考は無いやうだが、イヤモウ一生懸命に精々せつせと進物を運び込む。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
もと/\素朴なヒナの手ぶりが、都会に入つて本意を失うたもので、実は一年間の農村行事を予め祝ふにう木といふものゝ類で、更に古くは、祈年祭トシゴヒマツリ風に神を招き降す依代であつたと思はれる。
盆踊りと祭屋台と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いなかの珍らしい娘の目にはさすがにこの景色が面白いと見えて、たびたびああいい景色と賞めた。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
まさしく云えばあまりに信仰がないさもしい話ではありますまい乎。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
けいを衞に撃つ、を荷いて孔子の門を過ぐる者あり。曰く、心あるかな磬を撃つやと。既にして曰く、なるかな硜硜乎こうこうこ硜たり。己を知るなくんば、斯れ已まんのみ。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
私はあれにむらの曲水という題まで考えてるくらいです
おれの女房 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)