“ひな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒナ
語句割合
52.5%
42.4%
比奈0.9%
日済0.6%
0.6%
辺鄙0.6%
雛鳥0.6%
0.3%
日南0.3%
梭投0.3%
田舎0.3%
雛仔0.3%
鳳雛0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何や……怪我けが貴方あんたは何やかて、美津みいさんは天人や、その人の夫やもの。まあ、二人して装束をお見やす、ひなを並べたようやないか。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
らふたけてしかもひなに隱れ住む、すこし世帶やつれのした若い母が、窓のきはで機を織つてゐる夕暮れ、美しい都の姫がたづねてくる。
春宵戯語 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
比奈ひなが世話をしてゐる越中屋の金六は、八五郎が調べたところでは、間違ひもなく眞物の病人だといふのが、二つの事件の違ひでもあります。
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
掃溜はきだめに鶴の降りたような清純な感じのするのが、幾日かとどこおった日済ひなしの金——といっても、さしに差した鳥目ちょうもくを二本、たもとで隠してそっと裏口から覗くと、開けっ放したままの見通しの次の間に
おきて 青によし 平山ならやま越えて いかさまに 思ほしけめか あまさかる ひなにはあれど 石走いわばしる 淡海おうみの国の ささなみの 大津の宮に 天の下 知ろしめしけむ すめろぎの 神のみことの 大宮は ここと聞けども 大殿は ここといえども かすみ立つ 春日はるひかきれる 夏草香なつくさか しげくなりぬる ももしきの大宮処おおみやどころ 見ればかなしも。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
旗を天下に吹靡ふきなびかすことも成ろうに、大禄を今受けたりとは申せ、山川遥に隔たりて、王城を霞の日に出でても秋の風にたもとを吹かるる、白川の関の奥なる奥州出羽の辺鄙ひなに在りては
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
(そちらでは、よい雛鳥ひながいくらでも後からかえるのだから)
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
烏賊乾してただひなくさき当別たうべつ荒磯ありその照りよ今は急がむ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
黒い前髪、白い顔が這うばかり低く出たのを、蛇体と眉もひそめたまわず、目金越めがねごしまつげの皺が、日南ひなにとろりとと伸びて
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小母をばさん頂戴ちやうだいな」「其蟲そのむし頂戴ちやうだいな」とくうちに、むしは、うつくしいはねひろげず、しづかに、鷹揚おうやうに、そしてかるたて姿すがたさばいて、水馬みづすまし細波さゝなみかけごとく、ツツツと涼傘ひがさを、うへ梭投ひなげにくとおもふと
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
竿竹売の田舎ひなびた太い声に驚かされて、犬の子は吠え、日に曝した雨傘のかげからは雀がぱっと飛び立つなど
巷の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それをちょっと比喩たとえてみるなれば、柔い黄色の羽根がやっと生えそろったばかりのカナリヤの雛仔ひなを、ソッとのうちに握ったような気持、とでも云ったなら
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
こう二人の鳳雛ひなの手をつれて、家康に謁した。そして、旧領三千石安堵の墨付と共に
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)