“ゐなか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
田舎61.0%
田舍32.5%
亥中2.6%
地方2.6%
辺鄙1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
亡くなつた良人をつとが辞書などを著した学者であつただけに婆さんも中中なか/\文学ずきで、僕の為にいろんな古い田舎ゐなかの俗謡などを聞かせてくれる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
うですね、年少としわか田舍ゐなか大盡だいじんが、相場さうばかゝつて失敗しつぱいでもしたか、をんな引掛ひつかゝつてひど費消つかひぎた……とでもふのかとえる樣子やうすです。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この時、我が帽子も亦我と共にこの名誉なる一商船の機関長閣下をもはばからず、傲然がうぜんとして笑へるが如くなりき。その夜、マストにかゝる亥中ゐなかの月の、淋しくも凍れるが如き光にも我と共に浴びぬ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
六本指ろつぽんゆび小指こゆびひだりふたつあると、たやうなうはさをしました。何故なぜか、——地方ゐなかけて結婚期けつこんきはやいのに——二十六七までえんかないでたからです。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此の石榴市といふは、二一六泊瀬はつせの寺ちかき所なりき。二一七仏の御中には泊瀬なんあらたなる事を、唐土もろこしまでも聞えたるとて、都より辺鄙ゐなかよりまうづる人の、春はことに多かりけり。
二日の夜、よきほどのゑひごこちにて、年来としごろ大内住うちずみに、辺鄙ゐなかの人は三〇八はたうるさくまさん。三〇九かの御わたりにては、何の三一〇中将宰相さいしやうの君などいふに三一一添ひぶし給ふらん。