“失敗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しくじ33.9%
しま27.7%
しくじり14.3%
しっぱい8.0%
しつぱい5.8%
しまつ1.8%
しも0.9%
しくじる0.9%
すかたん0.9%
やりそこ0.9%
あやま0.4%
おくれ0.4%
しく0.4%
しくじっ0.4%
しくじつ0.4%
しつはい0.4%
しまっ0.4%
はずれ0.4%
へま0.4%
やりそこな0.4%
フェイル0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「冗、冗談しちゃいけません師匠、失敗しくじったのに褒美てえのはないでしょう。そんななにもダレさせるようなことをなさらねえでも」
円太郎馬車 (新字新仮名) / 正岡容(著)
通って、失敗しまった、あんなにお金はつかうんじゃなかったと、悲しげに金魚を眺めているだけなんだよ。何時も何時もそうなんだよ。
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
さもありさうな事で、酒は酒飲み自身の知らない色々な善い事をするものだから、少し位悪い失敗しくじりがあつたつて少しの差支もない。
おとこは、いえかえり、今度こんどは、失敗しっぱいをしないつもりで、けた仏像ぶつぞうをふろしきにつつんで、むら金持かねもちのところへってかけました。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うですね、年少としわか田舍ゐなか大盡だいじんが、相場さうばかゝつて失敗しつぱいでもしたか、をんな引掛ひつかゝつてひど費消つかひぎた……とでもふのかとえる樣子やうすです。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
百合子が自分も不安さうにして斯んな事を云つた時には、堀口等は思はず異口同音に、失敗しまつたなあ! と長大息を洩したものである。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
失敗しもた、とあの人は約束の時間におくれたことに改めて思いあたり、そして京都の夜の町をかけずりまわって、その友達を探すのである。
天衣無縫 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「若い人がよく失敗しくじるといふが、全く誠実と熱心が足りないからだ。おれも多年の経験で、此年このとしになる迄つてたが、どうしても此二つがないと成功しないね」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ここで逃げだしてしもてやな、工事が失敗すかたんになって見イ、死んだ連中が浮かばれへんやないか。わいらは正真正銘の日本人やぜ
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
その中で道節が短気で粗忽そこつで一番人間味がある。一生定正を君父の仇とねらって二度も失敗やりそこなっている。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「私が少し失敗あやまったものですからね」
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
今にして一躍のもとに乗り越さずんば、ついに失敗おくれを取らざるを得ざるべきなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから、皆のする事を危ぶんで、「何んか、別にえゝこどでもねえべか。」と云つたり、「失敗しくじつたらハ、飯の食ひツぱぢになるべし。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
「その代り失敗しくじって、もう帰って来ました」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「其代り失敗しくじつて、もうかへつてました」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
れてゐるばかりでなく、わりによくうつ寫眞器しやしんきで、一ダースが一ダース、めつたに失敗しつはいもないといふやうなことが、ふまでの心のおもひ出と相つて
余は梯子の中段より真逆様に船底に落ち込み、失敗しまったと叫びしまでは記憶すれど、その後は前後正体もなくなったり。
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
それから、ゆっくり(寝くたばれ!)といってきかせるのです。突き刺された方は、そこで、急いで寝くたばってしまう。千に一度の失敗はずれはないのです。一九二〇年のことでした。
(俺らしい失敗へまだ)と、もう自分にも腹を立てて、どすんと音を立てて腰掛けた。醜いまでに真赤になっていることが意識された。それが情けなくて、むっとした顔を上げた。
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
が、寝言ねごとにまでもこの一大事の場合を歌っていたのだから、失敗やりそこなうまでもこの有史以来の大動揺の舞台に立たして見たかった。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
今、私共が見ずにはいられない事実であるけれども、私共は、失敗フェイルした今日の現象と、其の背後に潜んでいる希願との、恒久性の差を、明かに見て進まなければ成らないのではあるまいか。
断想 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)