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失敗
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しま
ふりがな文庫
“
失敗
(
しま
)” の例文
通って、
失敗
(
しま
)
った、あんなにお金はつかうんじゃなかったと、悲しげに金魚を眺めているだけなんだよ。何時も何時もそうなんだよ。
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「
失敗
(
しま
)
ッた」と口へ出して後悔して
後
(
おく
)
れ
馳
(
ば
)
せに赤面。「今にお袋が帰ッて来る。『慈母さんこれこれの次第……』
失敗
(
しま
)
ッた、
失策
(
しくじ
)
ッた」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
コイツ
失敗
(
しま
)
ったと、直ぐ
詫
(
わ
)
びに君の
許
(
もと
)
へ出掛けると今度は君が留守でボンヤリ帰ったようなわけさ。イヤ失敬した、失敬した……
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「あ、
失敗
(
しま
)
った!」と、市郎は思わず
舌打
(
したうち
)
した。が、現在の位置にあって再び蝋燭を
点
(
つ
)
けると云うことは、殆ど不可能であった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
失敗
(
しま
)
ったと思った。彼には初めての経験だった。——だがこうなってしまった時、彼は不思議に落付きを失っていなかった。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
▼ もっと見る
人々の視線が、ハッとそれに注がれたとき、彼は心に『
失敗
(
しま
)
つた』と叫んで素早く立像を持つてゐた手を離してしまつた。
小熊秀雄全集-15:小説
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「あッ、こいつは
失敗
(
しま
)
った」といって飛び出していった。そこにたしかに首領が立っていたと思ったのに、
何処
(
どこ
)
へ行ったか、首領の姿がなかった。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
してしまって
失敗
(
しま
)
ったと思ったんです。何の深い考えもなく、全く突発的な出来事だったんです……しかし、僕は、貴女にすまないと思いました。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
偽駅夫!
失敗
(
しま
)
ったドーブレクにやられていたと思うと今までの径路が万事了解したのです。解ったと思ったが遅い。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
彼女はパラソルを忘れて来て
失敗
(
しま
)
つた! などと眼ぶしさうにして彼の指先きの彼方を眺めた。極く安価なのを一本買つたら好からうと樽野は告げた。
鶴がゐた家
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
この「
失敗
(
しま
)
った!」の一語が、仏兵助という桶屋さんの口から出たならば、七兵衛おじさんの方にまだ脈があるのですが、万一この「失敗った!」が
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
主翁はこれは
失敗
(
しま
)
ったと思って、また
顎
(
あご
)
の下からその紐をかけたが、かけてしまうとまた寄って来た。それは
己
(
じぶん
)
が
周章
(
あわて
)
ているので好く捲けないと思った。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「まア、あなたでも、そんなことを知ってらっしゃったのね。あたし、油断をしちゃって、
失敗
(
しま
)
ったわ。」
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「
其樣
(
そん
)
な
嘘
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
くもんぢやない。お
祖樣
(
ぢいさん
)
は能く知ツてゐるぞ。其の螢籠は
何
(
な
)
んだ、」
失敗
(
しま
)
ツた! 自分は螢籠を片手にぶらさげてゐた。
此
(
か
)
うなツてはもう
爲方
(
しかた
)
が無い。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
見ると、ボーイがまだいるから、こいつは
失敗
(
しま
)
ったと思い、なるたけ顔を見られないようにしているうち間もなくボーイが出ていった。絲満が二階からおりてきて番台に坐る。
金狼
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
失敗
(
しま
)
つた。あんまり急いだもんだから、鰯の
鱗
(
こけ
)
をふくのを、すつかり忘れちやつた。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「下男?——
失敗
(
しま
)
った。そいつは私達の着く前に、町の郵便局まで出掛けたそうです」
死の快走船
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
失敗
(
しま
)
つた。誰かに買はれたなと、自分の祕藏の物を奪はれたやうな嫉妬を感じた。
貝殻追放:011 購書美談
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
失敗
(
しま
)
った! と、思いました。しかし、もうこの道を、後戻りするのも面倒ですから、なるべく南へ下らずに、北東へ道を取っていっそのこと
小浜
(
おばま
)
の町へ、出てしまおうと考えました。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「
失敗
(
しま
)
ったね。私
阿母
(
おっか
)
さんに来ないように一枚葉書を出しておけばよかった。」
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
... オヤ何だか
焦臭
(
こげくさ
)
い、大原さん干瓢が
焦付
(
こげつ
)
きますよ」大原「ホイ
失敗
(
しま
)
った」
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
走り出して
失敗
(
しま
)
った、と思った。病気の事が頭に浮んだのだ。勿論走ったり出来る身体ではなかった。少し坂を登っても、咳にむせび、息苦しくハアハアと呼吸しなければならなかった程だから。
ひとりすまう
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
『
失敗
(
しま
)
つた。此の話はもつと暗くなつてからするんだつけ。』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「イヤ、こりゃア
失敗
(
しま
)
った。またしくじったかの」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
記者は
失敗
(
しま
)
ったと思った。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「
失敗
(
しま
)
った」
健康と仕事
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
「
失敗
(
しま
)
った」
善根鈍根
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
失敗
(
しま
)
ったと思ったがさすがの私も七月から十月まで寝込んでいたのであるから、この四階までの大階段は登りきれるものではなかった。
われはうたえども やぶれかぶれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そして
終
(
しま
)
いには、彼等が内地でそうされたと同じように「小作人」にされてしまっていた。そうなって百姓は始めて気付いた。——「
失敗
(
しま
)
った!」
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
(……
失敗
(
しま
)
った。帆村が問題にしている洗面器の下の鼠の死骸と、この鳥籠の一件とは深い関連性があったのか。それに気がつかなかったとは……)
地獄の使者
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
(
失敗
(
しま
)
った! 妻の不断に似合わず、いやに気のついたことをしたもんだ。これじゃ、ゴルフに行ったと云うんじゃなかった!)と、後悔したが
駟
(
し
)
も及ばず。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
半兵衛は
失敗
(
しま
)
ったと思って二発目の弾を急いで籠めたが、籠め終った時にはもう野猪の影も見えなかった。
山の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
失敗
(
しま
)
つた/\、用向きをうけたまはらないで駆け出すとは、何といふ粗忽な事であつたらう……」
青白き公園
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
『チェッ、
失敗
(
しま
)
ったッ。きゃつらを
捕
(
とら
)
えろ! 同、同類だッ。
撃放
(
うちはな
)
しても構わんッ、早く!』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
抱えたちの床を敷くと、下座敷は一杯で、銀子は一人の仕込みと二階に寝かされることになっていたが、ひどく酔って帰って来る晩もあって、ふと
夜更
(
よふ
)
けに目がさめてみて、また
失敗
(
しま
)
ったと後悔もし
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ほい
失敗
(
しま
)
つた! 本気に
腹
(
はら
)
をたてたか ははゝゝ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「ぢや瀬戸物ぢや無かつたんだな。
失敗
(
しま
)
つた。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
失敗
(
しま
)
った……大変なことになったぞ……」
気狂い機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
ぼくは
失敗
(
しま
)
った、と思った。
ひとりすまう
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「あっ、
失敗
(
しま
)
った!」
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これは無事に落ち著いても
財
(
たから
)
は二つの山割りか、悪くいけば
揉
(
も
)
み合いになるに決っていた。袴野は
失敗
(
しま
)
ったと
呟
(
つぶや
)
いたが
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そうは云ってしまったものの、私は
失敗
(
しま
)
ったと思いました。何という気味のわるいことを口にしたのでしょう。
俄
(
にわ
)
かに
襟元
(
えりもと
)
がゾクゾクしてきました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
妹はそして椅子に坐る拍子に、何故か振りかえって、お母さんの顔をちらッと見た。母は後で、その時はあ——あ、
失敗
(
しま
)
ったと思ったと、元気のない顔をして云っていた。
母たち
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
その一
刹那
(
せつな
)
、文学者は
失敗
(
しま
)
つたと思つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『
失敗
(
しま
)
つた、
紛失
(
なく
)
しちまつたア』
小熊秀雄全集-15:小説
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
『
失敗
(
しま
)
った!』と叫んだ。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
「や、や、
失敗
(
しま
)
った!」
銀座幽霊
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
「
失敗
(
しま
)
った!」
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「フフン、そんなことはお里の親の方が考えて、今になって
失敗
(
しま
)
ったと思ってるよ。こうと知ったらお里を四郎から引放さんで置くんじゃったとナ」
雷
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「自殺⁉——
失敗
(
しま
)
った」
気狂い機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
“失敗”の解説
失敗(しっぱい)
失敗
(出典:Wikipedia)
失
常用漢字
小4
部首:⼤
5画
敗
常用漢字
小4
部首:⽁
11画
“失敗”で始まる語句
失敗話
失敗者
失敗談
失敗譚
失敗箇所