その朝、帆村荘六が食事をすませて、廊下づたいに同じ棟にある探偵事務所の居間へ足を踏み入れたとき、彼を待っていたように、机上の電話のベルが鳴った。 彼は左手の指にはさんでいた紙巻煙草を右手の方へ持ちかえて、受話器をとりあげた。 「ああ、そうで …
| 著者 | 海野十三 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 初出 | 「自警」1947(昭和22)年1月~1948(昭和23)年1月(5、6、11月は欠) |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約2時間33分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約4時間14分(300文字/分) |