“燐寸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
マッチ72.1%
マツチ15.6%
まっち6.8%
まつち4.1%
まち0.7%
マチ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勝平が、さう答へ了らない裡に、瑠璃子の華奢な白い手の中に燐寸マッチは燃えて、迸り始めた瓦斯ガスに、軽い爆音を立てゝ、移つてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
てた燐寸マツチえさしが道端みちばた枯草かれくさけて愚弄ぐろうするやうながべろ/\とひろがつても、見向みむかうともせぬほどかれものうげである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何しろ、其奴そいつの正体を見届けようと思って、講師は燐寸まっち擦付すりつけると、対手あいてにわかに刃物をほうり出して、両手で顔を隠してしまった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
一寸ちよつとたまへ」とつて、燐寸まつち瓦斯ガス煖爐だんろいた。瓦斯ガス煖爐だんろへや比例ひれいしたごくちひさいものであつた。坂井さかゐはしかるのち蒲團ふとんすゝめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
刻莨きざみの三銭がとこけむよ、今度アくにゃア二つと燐寸まちまで買ってかねえじゃア追付おっつかねえ、これで割前わりめえ勘定だった日にゃア目も当てられねえてえことよ
声高こはだかの曠野の人とむかひて坐りひもじき我や燐寸マチを赤く
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)