“まっち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マッチ
語句割合
燐寸62.5%
燐燧6.3%
寸燐6.3%
待乳6.3%
燐燵6.3%
6.3%
真乳6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余は何時いつとも無く不審を起し目科とはも何者にやと疑いたり、もとより室と室、隣同士の事とて或は燐寸まっちを貸し或は小刀ないふを借るぐらいの交際つきあいは有り
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
最早燐燧まっちを擦って検める外はない、茲で燐燧を擦るとは随分危険な事で、若しや犬でも婆でも医学士でも廊下へ出て来たらお仕まいだ。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
二度目の燐燧まっちで照らし見ると、居なくなったのではなく、余の寝た寝台の上に寝て居るのだ、此の様な境遇を爾まで辛くも思わぬ、其の眠りの安々と心地好げに見ゆることは
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
砂糖水をもりたる硝盃こっぷ其儘そのまゝにして又其横手には昨日の毎夕新聞一枚とほか寸燐まっちの箱一個あり、小棚の隅に置きたる燭台は其蝋燭既に燃尽もえつくせしかど定めし此犯罪を照したるものならん
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
深川富岡門前に待乳まっち屋と謂って三味線さみせん屋があり、その一人娘で菊枝という十六になるのが、秋も末方の日が暮れてから、つい近所の不動の縁日にまいるといって出たのが、十時半過ぎ
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分の目の所為とは思ったけれど念の為燐燵まっちを手探りに捜し、火を摺って見た、能くは見えぬが何も居ぬらしい
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
まっちで火を移しますると、ぽっ/\と燃え上る。
干すとすぼまる木場辺の渋蛇の目、死んだかしらの火事見舞は、ついおもだか屋にあった事。品川沖の姪の影、真乳まっちわたし朧蓑おぼろみの鰻掻うなぎかき蝮笊まむしざる
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)