“三味線”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃみせん50.4%
さみせん37.8%
しやみせん4.4%
ざみせん2.2%
じゃみせん2.2%
さんしん0.7%
しゃみ0.7%
しやみ0.7%
みすじ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このとき、盲目もうもく母親ははおやきながら、十五、六のむすめが、雪道ゆきみちあるいていきました。母親ははおや三味線しゃみせんかかえていました。旅芸人たびげいにんです。
雪消え近く (新字新仮名) / 小川未明(著)
さうして座敷ざしきすみ瞽女ごぜかはつて三味線さみせんふくろをすつときおろしたとき巫女くちよせ荷物にもつはこ脊負しよつて自分じぶんとまつた宿やどかへつてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
長吉ちやうきち蘿月らげつ伯父をぢさんのつたやうに、あの時分じぶんから三味線しやみせん稽古けいこしたなら、今頃いまごろかく一人前いちにんまへの芸人になつてゐたに違ひない。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「義太夫は」「ようよう久しぶりお出しなね。」と見た処、壁にかかったのは、蝙蝠傘こうもりがさほうきばかり。お妻が手拍子、口三味線ざみせん
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
露八は、中へ入って、三味線じゃみせんを後ろへおいた。とにかくと——相手は誰か分からないが、ばれたままに来てみたのであるが。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蛇皮線というのは、三味線の元祖で、もともと琉球でも三味線さんしんと呼ばれているのである。錦蛇の皮を張ってあるので、蛇皮線と呼んでももっともらしくきこえるのだ。
池袋の店 (新字新仮名) / 山之口貘(著)
三味線しゃみが無いでな。さっぱりどうも」ふと思いついた様に、「どや、みなで一丁散財に行こら。お初つぁん。お前も一緒に来ィな」
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
その静けさを破つて、溝川を越えて彼方の町並を流し行く三味線しやみの音がしんみりと聞こえる。秋といつても九月の末、柳は、もう大概落葉してしまつた。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
おんなは軽く呼吸いきを継いで、三味線みすじの糸を弾くが如く、指を柱に刻みながら
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)