“巫女”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みこ73.6%
いちこ7.9%
ミコ2.9%
ふじょ2.9%
いたこ2.1%
ノロ1.4%
ミヤラビ1.4%
くちよせ0.7%
あづさ0.7%
かんなぎ0.7%
くせよせ0.7%
のろくめ0.7%
イチ0.7%
ウイッチ0.7%
シャーマン0.7%
ストリゲス0.7%
フエエ0.7%
ユタ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
唄合戦の揚句に激昂した恋敵こいがたきの相手に刺された青年パーロの瀕死の臥床で「生命の息を吹込む」巫女みこの挙動も実に珍しい見物である。
映画雑感(Ⅵ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その頃は女房のお楽も心がくじけ、その上巫女いちこの口寄せで、お染の生霊いきりょうの祟りで、お七が死んだと聞いては身も世もございません。
先、誰にでも這入り易いと思ふ事から言うて見ると、おひら様と言ふ物は、熊野神明の巫女ミコが持つて歩いた一種の、神体であつたらうと思ふ。
コンガラ様はこの地方でしか名を聞かぬ一種の巫女ふじょで、祈祷きとうのために舞う者であったが、今はもう絶えているらしい。
なにかの理由でもしこのさいその石が不機嫌なときには途中で止まって、こんりんざい動かぬようになる。そんなときに必要なのはいつもの巫女いたこの力である。
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)
巫女ノロ郷巫ツカサなどが依然、女君ジヨクンの権力を持つてゐる離島ハナレでは、どうかすればまだ、さうした古代が遺つてゐる。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
源河節の「源河走河ヂンガハリカアや。水か、湯か、ウシユか。源河みやらびの御甦生ウスヂどころ」などは、時を定めて来る常世浪に浴する村の巫女ミヤラビの生活を伝へたのだ。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
さうして座敷ざしきすみ瞽女ごぜかはつて三味線さみせんふくろをすつときおろしたとき巫女くちよせ荷物にもつはこ脊負しよつて自分じぶんとまつた宿やどかへつてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
れがというたとて、自由自儘じいうじまゝるならば、今日けふ巫女あづさるまいにい……」ばあさんはおなじやうな反覆くりかへした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
こうなると話にも尾鰭おひれがついて、やれあすこの稚児ちごにも竜がいて歌を詠んだの、やれここの巫女かんなぎにも竜が現れて託宣たくせんをしたのと、まるでその猿沢の池の竜が今にもあの水の上へ
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「そんぢやだれだんべ、せんな」女房にようばうつたまゝどう見廻みまはして嫣然にこりとしていつた。それでもしばらくはすべてがくちつぐんでた。巫女くせよせばあさんははこつゝんだ荷物にもつそのまゝ自分じぶんひざきつけてつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これは巫女のろくめを葬る墓地であって、昔は巫女のろくめが死ぬとその屍体を柩に納めて樹の上へ掛け、三年間を風雨にさらした後に石で造った墓に収めたと云うことである。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
畢竟、重要視しての事かと思はれるが、陰陽師・巫女イチ側のもの故、忌んでの事なのかも知れない。くづれは、正式な平家物語物でもない様で、盛衰記と称へて、長門合戦を語つてゐる。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
料理場を飛び出すと、まるで巫女ウイッチのように宙を飛んで家へ駆けてゆき、お台所から鶏卵と水飴みずあめ乾杏子ほしあんずをひっさらって、えらい勢いで駆け戻って来ました。
キャラコさん:08 月光曲 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
甥の結婚式に列席のため上京してわたくしの家にいた家内の妹というのは、日ごろ霊力があると自称して少々神がかりの巫女シャーマン的な女であるが、わたくしの話を聞いて
幽香嬰女伝 (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
つまり、その驚くべき撞着たるやが、毒殺者の誇りなんだ。まさに彼等にとれば、ロムバルジア巫女ストリゲスの出現以来、永生不滅の崇拝物トーテムなんだよ
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
お伽噺の「性悪な巫女フエエ」に見立て、その化身として扱つたのである。
彼の母は巫女ユタを頼んで、彼方此方の拝所ウガンジユへ詣って、百歳ひやあくうが試験に合格するやうにと祈った。百歳が愈々試験を受けに行くと云ふ前の日には、母は彼を先祖の墓に伴れて行って、長い祈願をした。
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)