“イチ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:いち
語句割合
66.7%
命婦8.3%
巫女8.3%
8.3%
市場8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ぢや、お前のイチを取つて英一とするか? だがそれぢや弟の英二郎とオンがつくからな?」
父を売る子 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
箱崎の芳野家の「神国愚童随筆」といふ本に、壱岐の神人の事を書いて、命婦イチは女官の長で、大宮司・権大宮司の妻か娘かゞなるとある。さすれば、いちは陰陽師の妻が巫女なる例である。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
畢竟、重要視しての事かと思はれるが、陰陽師・巫女イチ側のもの故、忌んでの事なのかも知れない。くづれは、正式な平家物語物でもない様で、盛衰記と称へて、長門合戦を語つてゐる。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「静かだのう。義平太も、一ぷくせぬか。唐詩選であったか、たれやらの詩に——林泉リンセンイチニ近ウシテ幽ハ更ニ幽ナリ——という句があった」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
祭り日の市場イチには、村人たちは沢山の供へ物を用意して、山の神の群行或は山姥の里降りを待ち構へた。山の神・山姥の舞踊アソビモノや、身につけたかづら・かざしが、神上げの際には分けられた。
山のことぶれ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)