“さる”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
54.5%
27.3%
6.3%
4.7%
沙流2.4%
0.8%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
佐留0.4%
沙留0.4%
0.4%
猨狙0.4%
猿猴0.4%
獼猴0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ついてはなしがある。(さるどのの夜寒よさむひゆくうさぎかな)で、水上みなかみさんも、わたしも、場所ばしよはちがふが、兩方りやうはうとも交代夜番かうたいよばんのせこにてゐる。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
将軍家がこういう手続きをする前に、熊本花畑のやかたでは忠利の病がすみやかになって、とうとう三月十七日さるの刻に五十六歳でくなった。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
下女詮方せんかたなさにその火を羊の脊に置くと羊熱くなりて狂い廻り、村に火を付け人多く殺し山へ延焼して山中のさる五百疋ことごとく死んだ。
さる夏狂言評好く拙作の所作事しよさごと勤候處、先づ勤めてのき候故、去顏見せには三座より抱へに參候仕合故しあはせゆゑ、まづ役者にはなりすまし申候。」
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
日高の沙流さる地方でも昔はそれがあり、それを“アイヌ・ペウレㇷ゚”(aynu-pewrep 人間である熊の子)
私の主人が長年のわずらいでございまして、主人と申しますのは、さる藩中でも人に知られた武士でございましたが、得体の知れない病になり、禄を辞退して此の森陰に隠れてから
人面瘡物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「窓の戸が少し開いて居りました。格子が無いので、不用心だからと、さるをおろした上に、心張しんばりまであるのですが、それが、見えなくなつて居ります」
そこで、翌る日は、林三郎殺しの疑ひを受けさうな左母次郎を江の島へ追ひやり、晝のうちから心張棒を隱し、窓の戸の敷居のさるの落ちる穴に豆を入れて置いて、夜中にそつと忍び込んだのだ
掘出ほりだされし由をたしかうけたまはりおよびたり扨々さて/\浦山敷うらやましき事なり何卒其古金の内を少々拙者せつしや配分はいぶん致し賜れと云ふに兵助ははつと思へど然有さあら風情ふぜいにて貴殿にはさることを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
頼みにかゝ大膽だいたんなることを致され申さんや此所能々御推察下すゐさつくださるべしと申しければ主税之助はたゝみ蹴立けたて扨々くちかしこく云ひぬかす女めおのれより外に此手引このてびきをする者なしさるに因て汝を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うんほしかゝってあるさるおそろしい宿命しゅくめいが、今宵こよひえんはしひらいて、てたわが命數めいすうを、非業無慚ひごふむざん最期さいごによって、たうとするのではないからぬ。
ちがはいでをられうか? 先祖せんぞしゅうあしやを玩具もてあそびにはしはすまいか? 手傷てきずだらけのチッバルトをみどろの墓衣はかぎから引出ひきだしゃせぬか? 狂氣きゃうきあまり、きこえたさる親族うからほね取上とりあ
ロレ まゝ、かへらしめ。(藥瓶を渡し)さらば、たくましう覺悟かくごして、首尾しゅびようこと爲遂しとげさッしゃれ。わしはまたさる法師ほふしに、おこと殿御とのごへの書面しょめんたせ、いそいでマンチュアまでりませう。
しかるに『続紀』に見えた柿本朝臣佐留さる、歌集の猿丸太夫、くだって上杉謙信の幼名猿松、前田利常としつねの幼名お猿などあるは上世これを族霊トーテムとする家族が多かった遺風であろう。
昨今は既に製紙や枕木のために散々にり荒されたから事情も一変したが、以前はこの辺から大井の川上にかけては、山人に取っての日高の沙留さるともいうべく、最も豊富なる我々の資料を蔵していた。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
北には身延嶽みのぶたけ天をいただき、南には鷹取たかとりたけ雲につづき、東には天子てんし嶽日たけひとたけをなじ、西には又、峨々がゝとして大山つづきて白根しらねたけにわたれり。さるのなくこゑてんに響き、蝉のさえづり地にみてり。
猨狙さるに周公の服を着せれば、驚いて引裂ひきさき棄てるに決っている。云々…………子路を孔門の徒と知っての言葉であることは明らかだ。老人はまた言う。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
さて木から落ちた猿猴さるの身というものは意久地の無い者で、腕は真陰流に固ッていても鋤鍬すきくわは使えず、口は左様さようしからばと重く成ッていて見れば急にはヘイのも出されず
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
今の汝をそれに比べば獼猴さるの如くに劣りなんと答ふるに、天神はまた栴檀せんだんの木の頭尾もとすえ知れざるものをいだして、いづれのかたの根のかたにていづれのかた樹梢こずえの方ぞ、く答へよ、と問ひなじりぬ。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)