“賢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かしこ39.1%
さか26.6%
けん10.7%
かし9.4%
さかし3.9%
サカ1.7%
まさ1.7%
さと1.3%
サカシ0.9%
さかしゅ0.9%
さかしら0.9%
ケン0.4%
0.4%
がしこ0.4%
さとし0.4%
ざか0.4%
たか0.4%
とうと0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「シツ。——立ち聽きしてゐる奴があるんだ。かしこいやうでも、影法師が板圍ひの隙間をチラチラ隱すことには氣がつかなかつたらう」
梅は白きこそよけれ紅なるは好ましからずなんどさかしげにいふ人は、心ざまむげに賤し。花は彼此をくらべて甲乙をいふべきものかは。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
けんちゃん、うまくすれば、つくかもしれないよ。」と、清次せいじは、自分じぶんが、手荒てあらにしたのをべつに後悔こうかいするふうもなかったのです。
僕のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年はせい/″\十四、五、あまりかしこさうではありませんが、丈夫さうで、執拗しつあうで、頑固らしいところのあるのは、平次の註文通りでした。
さかしげな百説、どれもこれも採るに足らぬ。吉良は無事に生きているのだ。ただ、亡君の怨敵おんてきたる彼のしるしを申しうければそれで足る)
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ともかく彼の顔、からだ、爪さきから爪さきに行きわたつてゐる敏感とサカしさが、明るい細やかな立像に、飜刻せられて来るのであつた。
「貴方は、孔夫子に対して、げて弟子の礼を執っていられるのではありませんか。どうも私には、貴方が孔夫子よりもまさっていらっしゃるように思えますが。」
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
これがむくい一一三虎狼こらうの心に障化しやうげして、信頼のぶより隠謀いんぼうにかたらはせしかば、一一四地祇くにつがみさかふ罪、さとからぬ清盛きよもりたる。
ああ! 酒呑まぬ男は猿にかも似てゐると、うまいことを言ふもんだねえ。サカシら人は、いやだねえ。ゲヂゲヂを思はせるよ、君。
おおさいかにも紋十郎じゃ、おおかたこうと眼を付けて、計られると見せて置いたら、いつかこっちのつぼはまり、女さかしゅうして牛売り損ない、可愛い男をうぬが手で、巧々うまうま死地へ落とし入れたなあ。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ひとこゝろかはやすき、いましかくさかしらぶりて、飼鳥かひどりひつれど、明日みやうにちらずかさねてすゝむるものあるときは、われまた小鳥ことりやしなこゝろになるまじきものにあらず
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
聖主ハケンサグルモ却ッテ吾ヲ知ラズ
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其精神元気を改造するの用をし能ふ者に非ざるは歴史上の断案なり(二)更に学校教化の作用を借りて人心改造のみちとなさんとする者あり、是前法に比すれば固よりしこき方法なるべしと雖
こうしたことはみんな、太鼓に合せて踊っている最中さいちゅうに行われるのです。うったえられたほうの者も、同じようにずるがしこくそれに答えます。
二人ある輝子の子供のうちで、兄の子供の方はさとしと言い、妹の方は毬子まりこと言ったが、毬子は賢ほど人見知りをしなかった。その毬子はぐ泉太や繁の側へ行って子供らしい遊戯の仲間入をしている。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
(この小ざかしい女には、俺自身で、ただしたいことがある)
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九万吉氏は、先代、石田与惣兵衛の養女たるたか子さま(現在の賢夫人)と結婚するという条件で、アメリカの大学へ留学させてもらったが、同学の合衆国美人と恋仲になり
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
(七) 子夏しか曰く、さかしきをとうと(尊)び、色をあなど(軽易)り、父母につかえてく其の力をつくし、君につかえて能く其の身をささげ、朋友と交わりものいいてまことあらば、未だ学ばずというといえど
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)