“たか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タカ
語句割合
33.1%
15.1%
11.3%
多寡10.7%
7.8%
高価4.9%
3.4%
2.5%
1.2%
1.1%
(他:98)8.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
荒浪あらなみ鞺々どう/\打寄うちよするみさき一端いつたんには、たか旗竿はたざほてられて
紺地こんぢおびむなたかう、高島田たかしまだひんよきに、ぎん平打ひらうちかうがいのみ
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
けれども楢夫はその丘の自分たちの頭の上からまっすぐに向ふへかけおりて行く一ぴきたかを見たとき高く叫びました。
ひかりの素足 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
たかへる小鳥の如く身動みうごき得為えせで押付けられたる貫一を、風早はさすがに憫然あはれと見遣りて、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その内に筑波颪つくばおろしがだんだん寒さを加え出すと、求馬は風邪かぜが元になって、時々熱がたかぶるようになった。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
戦国武士の血を多分にけ継いでいる忠之は、芥屋けや石の沓脱台くつぬぎに庭下駄を踏み鳴らして癇をたかぶらせた。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「当然、ありうることでしょう。ありえないこととこちらが多寡たかくくっていればなおさら、その可能性は濃くなります」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多寡たかがひとりの邪魔者が出たからって、おれの手をわずらわすまでのことはあるめえ、てめえ達の手で片づけて来い」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寺の前の不動堂ふどうどうの高い縁側には子傅こもりの老婆がいつも三四人たかって、手拍子をとって子守唄を歌っている。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
大勢おほぜいつてたかり、民子たみこ取縋とりすがるやうにして、介抱かいほうするにも、くすりにも
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
毛皮売りは大道商人の中でも一番高価たかいものを売るのだそうだが、まだこのほかにも一円以上のものを大道で売るのが沢山居る。
もっとも本当のピアノは高価たかいから、この頃では和製の手軽い安いのがドッサリ出来るからで、正にピアノ全盛になって来た。
耳のあたりまで裂けて牙歯きばのある口は獣のものに近く、たかい鼻は鳥のものに近く、黄金の色に光った目は神のものに近い。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
病身らしい、頬骨ほおぼねと鼻がたかく、目の落ちくぼんだ、五十三、四のあるじの高い姿が、庭の植込みの間に見られた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼は、それがうれしいのだ。炭薪の消費も、一年間のたか、半分以下に減って来たが——そんな数字よりは欣しいのである。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「扇箱一つで、殿中引廻し、か。虫のいい! これ、進物のたかをいうのではない。が、ものには順があるぞ、順が。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
見らるゝ如く足跡を我に踏ましむるこのひとりは裸にて毛なしといへども汝の思ふよりは尚きはたかき者なりき 三四—三六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それに来て見ると、砂が立つ、ほこりが立つ。雑沓ざっとうはする、物価ものたかし、けっして住み好いとは思わない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
両手を後に組んで、白い顔をしゃんとこっちへ向けて、怒った気のたかぶりが現れたままの瞬きをして、入って行く宏子を見た。
海流 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
少しかんたかぶっている様子でキリキリと美しい眉を釣上げながら、平次の顔を正面から振り仰ぎます。
屠手は多勢ってたかって、声を励ましたり、叱ったりして、じッとそこに動かない牛を無理やりに屠場の方へ引き入れた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
桟橋へ上って見て私の第一に喜んだのは、その前の広場にたかって客待ちしている簡素な馬車の幾つかであった。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
だから、輪王寺の寺侍の株は、ふつうの御家人株の売買よりも、はるかに高値たかい。また、滅多に、売り物は出ない。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お米よりきやアお米の水の方が、いくら高値たかくつくか知れやアしない、よくもそれを自慢らしくいへたもんだ。
磯馴松 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
嘆賞すべき慰藉いしゃ者よ! 彼は忘却によって悲しみを消させることなく、希望によってそれを大きくなしたかめさせんとした。
高言壮語を以て一世を籠絡ろうらくするを、男児の事業と心得るものは多し、静思黙考して人間の霊職をたかうせんと企つる者は、いづくにある。
一種の攘夷思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
女道楽をはじめとして私行的の道楽なら、いくら金を使っても池上の身上しんしょうとしてはたかが知れたものである。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それがあまりに息詰まるほどたかまると彼女はそのかさを心から離して感情の技巧の手先で犬のように綾なしながら、うつらうつら若さをおもう。
家霊 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼等の啼声が以前空を飛び、またはたかい木の枝に休んで、仲間を待ち合せる際に発していた声と、この頃は大分ちがった囀りを交えるようになった。
そこはたかい欅や樫や椎の木にまじつて椋の木や櫻の木などが鬱蒼と溪から山腹を覆つてゐた。
闇への書 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
——たかい野のけやきにとまるとき、それは樹をひきたたせる頭飾りぼんとなつた。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
あゝ 橄欖樹のたかうれに 星くづ白くちりぼひてなみだ
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
旦那だんな、」と彼は言った、「よろしゅうござんす。あなたがその人ですから。しかし『種々の入費』を払っていただかなければなりません。だいぶの金額たかになります。」
「呼吸がない」と呟いた。グイと胸を開けて鳩尾みぞおちを探る。その手にさわった革財布。そのままズルズルと引き出すと、まず手探りで金額たかを数え、じっとなって立ちすくむ。
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それを厭がつてみのるは自分で本などを賣つて來てから、高價たかい西洋花を買つて來て彼方此方あつちこつちへ挿し散らしたりした。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
「この前に出よつた時は千二百圓ほど借錢をさらすし、其の前の時も彼れ是れ八百圓はあつたやないか。……今度の千圓を入れると、三千圓やないか。……高價たかい養子やなア。」
鱧の皮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
葱を伏せつつ、怖々こは/″\うねたかみを凝視みつめゆく、
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
この窟上下四方すべて滑らかにして堅き岩なれば、これらの名は皆そのたかく張り出でたるところを似つかわしきものによそえて、昔の法師らの呼びなせしものにて、窟の内に別に一々岩あるにはあらず。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
はなからその気であったらしい、お嬢さんはかまちへ掛けるのを猶予ためらわなかった。帯の錦はたかい、が、膝もすんなりと、着流しの肩が細い。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
せ申した。せ申した。方々、かようでござる。木の枝を断ち申したるあと、癒え申せばたかくなるでござろう。塵土あつまれば、これもたかくなるでござろう。されば、鼻は面中にありて、堆起するものでござれば、フルヘッヘンドは、たかしということでござろうぞ」といった。
蘭学事始 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
玉敷たましきの都の中に、むねを並べいらかを争へる、たかいやしき人の住居すまひは、代々よよてつきせぬものなれど、これをまことかとたづぬれば、昔ありし家はまれなり。……いにしへ見し人は、二三十人が中に、僅に一人ひとり二人ふたりなり。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
——また高時の滅亡をはやめたのも、ひとえに義貞の善戦によるとはいえ、もし足利千寿王が一軍の参陣なくんば、これまたどうであったろうか。——そのほか戦後の混乱時に、よく闕下けっかの治安を維持したなども、尊氏の功は少なしとせぬ。……さればこそ。おん諱名いみなの『たか』の一字をさえ賜うたほどなご嘉賞ではなかったか。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆうべきつねのくれし奇楠きゃらたか
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
らんゆふべ狐のくれし奇楠きゃらたか
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
蒼鸇たかの飛ぶ時他所視よそみはなさず、鶴なら鶴の一点張りに雲をも穿うがち風にもむかつて目ざす獲物の、咽喉仏把攫ひつつかまでは合点せざるものなり。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
蒼鸇たかの飛ぶ時よそはなさず、鶴なら鶴の一点張りに雲をも穿うがち風にもむかって目ざす獲物の、咽喉仏のどぼとけ把攫ひっつかまでは合点せざるものなり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
自分がもしそれを持ったなら、まるで、変り羽毛の雛鳥ひなどりのように、それを持たない世間から寄ってたかって突きいじめられてしまうではないか。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「折角、人が心で何か純真に求めかけると、俗物共は寄ってたかって祭の踊子のように、はたからかねや太鼓ではやし立てる、団扇うちわあおいで褒めそやす。これで芸術なんてものがはぐゝめるか孚めないか、たいてい判りそうなものだ」
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ヂュウスの*息とたかぶれるプリアミデース・ヘクトール、
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
とはいえ天性洒落の彼は誇りもたかぶりもしなかった。
開運の鼓 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
——ちょうど其が、此盧堂の真上の高処たかに当って居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
——ちようど其が、此廬堂の真上の高処たかに当つて居た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
朝鮮牛てうせんうし大分だいぶ輸入ゆにふされたがいねころのやう身體からだ割合わりあひ不廉たかいからどうしたものだかなどといふことが際限さいげんもなくがや/\と大聲おほごゑ呶鳴どなうた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
四こくはうみのたかにこそあれ
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
他花たかの花粉で、自分の花の受精作用を行わんがために、このサクラソウの花は雄蕊ゆうずいの位置に上下があり、雌蕊しずいの花柱に長短を生じさせているのである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
寺内の若僧、庄馬鹿、子坊主までつてたかつて、火をともして、其を本堂へと持運ぶ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)