“氤氳”の読み方と例文
読み方割合
いんうん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
陶鮑の詩の句のは、或は望む可く、或は感知す可きもので、山澤より放散する氤氳いんうん溟漠めいばくたる氣を指して居る。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かくて妾は宛然さながら甘酒に酔いたる如くに興奮し、結ばれがちの精神も引き立ちて、互いに尊敬の念も起り、時には氤氳いんうんたる口気こうきに接しておのずから野鄙やひの情も
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
花一つ、蕾一つ、高薫氤氳いんうん、発して我が面をうち、乱れて一室の浮塵を鎮め去る。これはお向のたかさんの家からの借物なれど、我が愛は初めて姉に女の児の生れたりし時よりも増れる也。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)