“宛然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さながら55.1%
まるで20.9%
えんぜん15.2%
ゑんぜん4.4%
まるきり1.3%
あたかも0.6%
あだかも0.6%
そつくり0.6%
ちやうど0.6%
ソツクリ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乱れ打つ急調なリズムは、宛然つ白骨の音で、その間を縫う怪奇な旋律は、妖鬼の笑いと、鬼火の閃めきでなくて何んでしょう?
死の舞踏 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
とお前様かせは、これからぢやが、最初がいかにもい、宛然ひさうでないに、いのは、で。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
山は開けて上流を見るべく、一曲毎に一をつくり、一瀬毎に一をたゝへたる面白き光景は、宛然一幅の畫圖げたるがごとし。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
つらつらずるにわが俳諧修業は「ホトトギス」の厄介にもなれば、「海紅」の世話にもなり、宛然たる五目流の早じこみと言ふべし。
わが俳諧修業 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼は絨毯の上を、しつかりと歩んでゐたであつたが、もし傍観者があつたならば、その足付が、宛然躍つてゐるやうに見えたかも知れない。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
おそらく快楽好きな若者の目には器量よしには映るまい。自転車にっている彼女の姿は宛然働きものの娘さんを一枚の絵にしたようだ。
落穂拾い (新字新仮名) / 小山清(著)
一年の骨折の報酬を収めるのは今である。雪の来ない内に早く。斯うして千曲川の下流に添ふ一面の平野は、宛然、戦場の光景であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
は、また中空す——とぐろをき、れて、海原のそれとじです。いや、それよりも、屋根かつた、あの可恐宛然であります。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それから横手つてると、るわ/\、打石斧が、宛然砂利いた散布してる。
女寅のおえん、容貌なら物ごしなら宛然その人である。唯折々野暮な姿を見せるのは、刻明な世話女房と見えるがある。
封印切漫評 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)