“展”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひら37.1%
29.3%
ひろ28.3%
ひろが1.2%
のば1.0%
0.5%
てん0.5%
0.5%
0.5%
0.2%
なら0.2%
のし0.2%
まい0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朝の光が射しそめる頃から、彼の世界は黄色にひらけてくるのであった。彼の視界にあるどういう物体も、その色のまま黄色に見えた。
黄色い日日 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
快い北東の季節風ムンスウンに吹かれ、御納戸おなんど色の絹をべた様な静平な海面を過ぎながら、十一月二十五日の朝蘭領のアノムバ島を左舷に見た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
私はそこに自分の心をまざまざとひろげて見せられたやうな心持がして、じつとそれに見入つて居た。漆のやうな暗い闇は長く続いた。
百日紅 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
物は言はで打笑うちゑめる富山のあぎといよいよひろがれり。早くもその意を得てや破顔はがんせるあるじの目は、すすき切疵きりきずの如くほとほと有か無きかになりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
金万かねまんの若旦那実は敏腕家だけれど、差当り親父が頑張っているから、驥足きそくのばすことが出来ない。猫のようになって、爪をかくしている。
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
前夜訪ねて來て書式を聞いた行つたのだから、けて見なくても解職願な事は解つてゐる。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
……あれば、宋朝治下の塗炭とたんの民土に、一さつの清風と、一望の緑野りょくやてんじるものと、望みをかけ得られないこともないのだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少しばかり平地になったところが小公園風に出来ていて、そこからこの農業都市の、樹木の多い熊本市街がひとめにらけていた。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
十五、始メテ眉ヲ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と少しいきどおった気味で受合いましたから、大きにお竹も力に思って、床をってふせりました、和尚さまは枕にくと其の儘旅疲れと見え、ぐう/\と高鼾たかいびきで正体なく寝てしまいました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
やはり岩乗がんじょうな鉄の寝台が一個、入口の方向を枕にして横たえてあるが、その上の真白な寝具が、キチンと敷きならべたままになっているところを見ると、まだ誰も寝たことがないらしい。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
まづのし昆布を出す。浴後昼食をはつて、先当地之産土神うぶすながみ下之御霊しものごりやうへ参詣、(中略)北野天満宮へ参詣、(中略)貝川橋を渡り、平野神社を拝む。境内桜花多く、遊看のともがら男女雑閙ざつたうす
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「野逕蕭条蛩語哀。木犀秋雨浥蒼苔。板輿昨日游春地。今日何堪展墓来。」〔野逕蕭条トシテ蛩語哀シ/木犀秋雨蒼苔ヲうるおス/板輿昨日游春ノ地/今日何ゾ堪ヘン墓ニまいリ来ルヲ〕そして註に一七日を
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
我は自らことわりて、誰かわが此墳墓をるを難ずることを得んと云ひぬ。