『百日紅（さるすべり）』

山の半腹を縫つた細い路を私は歩いて居た。日は照つて居た。下には、石材を三里先の山の中から運んで来るトロコのレールが長く続いてゐて、其向ふには、松の綺麗に生えた山が重り合つてゐた。 時々石を載せたトロコが、下りになつた路を凄じい音を立てゝ通つ …

著者	田山録弥
著者	田山花袋
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「太陽　第十八巻第十四号」1912（大正元）年10月1日
文字種別	新字旧仮名
読書目安時間	約26分（500文字/分）
朗読目安時間	約44分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

言（いつ） 母（おふくろ） 廓（くるは） 止（とゞま） 靡（かゞや） 轟（がう） 造（つくり） 別（わかれ） 形付（かたつけ） 私語（さゝやき） 笑顔（えがほ） 分明（はつきり） 鋳（いこん） 氷塊（こほり） 活々（くわつくわつ） 灯（ともしび） 展（ひろ） 堆積（かさなり） 誑（だま） 迯（のが） 脚袢（きやはん） 華表（とりゐ） 灯影（ひかげ） 鳥渡（ちよつと） 流（ながれ） 撞木（しゆもく） 成長（おほき） 作（つく） 性急（せつかち） 四辺（あたり） 一月（ひとつき） 馴染（なじみ） 人車（くるま） 伴（つ） 傍（そば） 半頃（なかごろ） 跨（また） 跣足（はだし） 貴郎（あなた） 豪（えら） 次手（ついで） 庫裡（くり） 彼家（あすこ） 悪戯（いたずら） 瞰（み） 招牌（かんばん） 旨（うま） 桔槹（はねつるべ）

題名が同じ作品

百日紅 （新字旧仮名）／ 高浜虚子 （著）