“誑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たぶら34.5%
たぶらか18.4%
だま13.8%
たぶ6.9%
たばか5.7%
ばか4.6%
3.4%
たば2.3%
たら2.3%
つま2.3%
あやま1.1%
おび1.1%
さま1.1%
1.1%
ばかさ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と余は奮然として云い直し「己れ人殺しの悪女め、能くも淑女に化け替って今まで余と叔父とをたぶらかした、是からは其の手は食わぬぞ」
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
なんだ、またこれをつてかへるほどなら、たれいのちがけにつて、這麼こんなものをこしらへやう。……たぶらかしやあがつたな! 山猫やまねこめ、きつねめ、野狸のだぬきめ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今度ッからは、たとい私をおだましでも、蝋燭の嘘を仰有おっしゃるとほんとうに怨みますよ、と優しい含声ふくみごえで、ひそひそと申すんで。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こういう風に実行も出来ぬ地方問題を好餌こうじとして、一方には無邪気なる選挙区民をたぶらかし、他方では公共機関を誘惑して、これをその味方につけんとする。
選挙人に与う (新字新仮名) / 大隈重信(著)
斯様のたばかりにあひ日本に渡り候四人の伴天連同宿共第一のたわけ者、異国にても人に勝れたるたわけ者ゆゑ、かくの如くに候儀は日本国御名誉誰か是を
友「はい/\此のお村にばかされまして、今晩牛屋の雁木で心中致しました自業自得のくたばぞこないでございます」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大体につきてこれを思うに、人界に触れたる山魅人妖さんみじんよう異類のあまた、形を変じ趣をこそかえたれ、あえて三国伝来して人をかしたるたぐいとは言わず。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ヤイ畜生飛んでもねえ奴だ! 人もあろうに大岡様に化け、所もあろうに名古屋城内へご金蔵破りに来やがったな! 余人は旨々たばかれても、この俺だけは誑かれねえ
天主閣の音 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「それジワジワとおいでなすったぞ。この大江戸の話ばかりが資金もとでいらずの資金というものさ。田舎いなかの女をたらすにはこれに上越うえこすものはないて」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こぶしを挙げて丁と打ち猿臂えんぴを伸ばして突き飛ばせば、十兵衛たまらず汚塵ほこりまみれ、はいはい、狐につままれました御免なされ、と云いながら悪口雑言聞き捨てに痛さを忍びて逃げ走り
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今樟葉というは屎褌のあやまりだとあり。
しばらくして黄金丸は、鷲郎に打向ひて、今日朱目がもとにて聞きし事ども委敷くわしく語り、「かかる良計ある上は、すみやかに彼の聴水を、おびいだしてとらえんず」ト、いへば鷲郎もうち点頭うなず
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
『假に中學生にしたところで、態々人から借りて呉れてやつてさまされるより、此方こちとらなら先づ寢酒でも飮みますな。』
葉書 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「きつねがまして、おまえがたをれてゆこうとするのだ。」と、大人おとなたちは、みんなをいましめるように、いいました。
竹馬の太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
見付てヤア/\皆々みな/\はやきてなアレ紙くづ買がきつねばかされて田圃のなかで屑はござい/\と呼で一ツ所をゆきたりたりしてるがいし投付なげつけやらうと云に子供等は追々おひ/\馳集はせあつまり是は可笑をかしい/\と手に/\石を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)